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日本の話芸・講談の集い=200人が耳傾ける=情感たっぷりの講談を披露

 宝井琴梅・渥美講談塾生による「日本の話芸・講談の集い」が十七日午後、宮城県人会で開かれ、約二百人が耳を傾けた。サンパウロ新聞創刊六十周年記念事業の一環。
 宝井琴梅氏は、宝井馬琴門下で真打に昇進。「出前講談」で日本全国を自転車で行脚、新潟県で農家を改造、寄席として活用するなど行動派の講談師。渥美講談塾の指導も行っており、ブラジル公演は〇四年に続き、二回目。
 講談を始めて九年になる平野華嶺さんが「牡丹灯篭」を務め、将軍、徳川家光からの褒美目当てに親孝行する息子を滑稽に描いた「孝行息子と将軍」を鈴木梅脚さんが演じた。
 市原洋子さんによる琴の演奏後、会場となった宮城県人会にちなみ、市原夜香梅さんが「伊達正宗の堪忍袋」。
 続いて、渥美講談塾頭の渥美右桜左桜さんが「アチバイア五十年史」を基に、移民を題材にした創作講談「サンパウロの地に命を耕して」に挑戦した。
 トリを務めた宝井琴梅さんは、「二年後の百周年にも是非来たい」と希望を話し、「丸山応挙の幽霊画」を熱演、会場からは惜しみない拍手が送られた。
 会場を訪れた人々は、「面白かったね」と口々に話しながら、会場を後にした。

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