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サンパウロ=七夕祭り準備すすむ=今年は大阪橋に屋台も=七夕200本が冬の東洋街彩る

2006年7月25日付け

 サンパウロ市の冬の風物詩、「サンパウロ仙台七夕祭り」が、今月二十九、三十日の二日間にわたってリベルダーデで開催される。今年で二十八回目。開催まであと一週間に迫り、主催のブラジル宮城県人会(中沢宏一会長)会館では、二十日夜、七夕祭りの概要発表会が行われた。
 会館内は大小の七夕や笹、バラッカで本番さながらに飾り付けされ、集まった約百人の聴衆は華やかな雰囲気の中、説明に耳を傾けた。
 今年の七夕祭りは、二年後の日本移民百周年を見据え、テーマは「ブラジルの日本‐日本移民百周年記念祭」。規模を拡大し、例年の七夕飾りに加え、今年は大阪橋の上にも屋台を出す。
 リベルダーデ広場とガルボンブエノ街の二カ所に設置される舞台では、太鼓、YOSAKOIソーラン、阿波踊り、ストリートダンスなどが披露される。七夕飾りや短歌、俳句、子供たちによる絵画のコンテストを実施する。「ミス七夕」もカラオケを歌い、祭りに彩りを添える。
 二十日の発表会には、リベルダーデ文化援護協会や文協、援協、県人会など祭り関係者のほか、サンパウロ市や交通局、警察などの関係者が参加。七夕にまつわる日本の言い伝えが紹介され、神主と着物姿の子供たちが会館内を歩いて物語を再現した。
 七種類ある飾りに込められた思い、短冊の色が象徴する思いを紹介。発表会の参加者が、配られた短冊に願いを書き込んで笹にかける姿も見られた。
 七夕祭り実行委員会の鈴木運蔵委員長は、「大阪橋で屋台を出して七夕を飾るというのは初めての試み。市民の方々にどれだけ受け入れてもらえるかわかりませんが、ある意味試練として考えている」と意気込みを話す。
 中沢県人会長は「祭りは時代と場所によって変わるもの。ブラジルの七夕はすごく将来性がある。社会のためになることをやっていくことでブラジル人に受け入れられていく」と、七夕祭りに日本文化や教育の要素を取り入れている意義を強調。
 また、日系を代表する祭りである七夕をより広く定着させていくために「実行を支えていくための連合」を作りたいと話し、ブラジル伝統の祭りであるフェスタ・ジュニーナと合併させていきたいと構想を語った。
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 七夕作りは四月ごろから始まり、婦人部やボランティア約二十人が朝八時から四時まで集まり、順調に準備が進んでいる。同県人会では、すでに百八十本の七夕(大きいサイズのもの)を完成させた。
 祭りの当日に会場で飾られる竹は約八十本。竹一本に対して三つの七夕(大)を飾る。用意した百八十本の七夕は、竹六十本分に相当する。
 このほかに用意するのがミニ七夕。現在、目標一千個に向け手際良く制作を進めている。
 てきぱきと手を動かしながらミニ七夕を作るのは、加治知恵子さん(二世)。「色を混ぜて作ると綺麗な七夕になるんですよ」と話す。七夕作りは五年目だそうだ。
 同じく五年目の加治タカコさん(一世)は、「やっぱり自分が作った七夕を飾ってもらってうれしいです」と楽しそうに七夕を作っていた。
 昨年の七夕祭りの来場者は二日間で約十三万人。テレビやラジオ、新聞、雑誌で取り上げられるなど、すっかりサンパウロ市の風物詩として定着したようだ。
 【第二十八回サンパウロ仙台七夕祭り】=二十九日は午後二時半から午後八時ごろまで。午後二時半に大阪橋の鳥居付近で開会式を行う。三十日は午前十時から午後六時まで。

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