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楽しく人気あった=プロのヘアーカット=「老人週間」趣向こらして=「助けは人のためならず」=宇野シニアのボランティアする気持ち

2006年10月3日付け

 第三十七回老人週間(サンパウロ日伯援護協会、救済会、ブラジル日系老人クラブ連合会、日伯高齢者研究グループ共催)が、九月二十九日、文協大講堂で開催された。今年のテーマは「支えあいで共に生きよう」。来場者は約七百人。一階大サロンで行われた無料健康診断は午前中、順番待ちの人であふれた。様々な講演が行われ、蒼鳳(SOHO)グループによるヘアーカットの実演、コーラスやフラメンコのショーなど盛りだくさんな内容の一日となった。

 午前十時。JICAシニアボランティア六人による健康体操で開幕した同大会。参加者一同は「ふるさと」や「ソーラン節」を歌いながら、体をほぐした。 医療講演では「口腔衛生について」入れ歯やはぐきの手入れ方法などが説明され、続いて、宇野妙子JICAシニアボランティアが「楽息のススメ」と題した体験発表で、阪神・淡路大震災の経験を紹介。「助けは人のためならず。ボランティアをしているつもりで、私が元気をもらっている」と話し、「老いても老いを知らずといえるように、楽しみ、喜びをたくさん見つけて楽息で生きてください」と話した。
 昼休憩の前には蒼鳳グループのアカデミア教師らが、「プロ理容師による高齢者ヘアーカットの実演」。会場から五人の来場者が「若返らせます」という呼びかけに応え、舞台上でのカットを体験した。
 「恥ずかしいわ~」と、財部正夫さん(71)。実演で髪を短く刈り込んだ。「見違えた」という友人らの言葉に恥ずかしそうに笑う。「ボリュームの出る髪型」を実現した五葉木定子さん(60)は「私も昔美容師をしていたけど、やっぱりプロは違うわ」とうれしそうに話した。
 実演中には染髪のアドバイス、植毛の効果など会場からの質問にプロが答えた。「老いてもなお美しく」と、谷田部正成理容師は「髪型にも気を配ってください。十歳は若返ります」とアピールしていた。
 午後からは在サンパウロ総領事館の森田聡領事、JICAサンパウロ支所の野末雅彦次長らを迎えて、記念式典。来場者中の最高齢者、金田敏夫さん(98)と吉岡オサメさん(94)が表彰を受けた。
 無料健康診断には大会開始前から行列ができ、午後になっても骨密度測定など待ち人が絶えなかった。また、あけぼのホームやサントス厚生ホームの入居者らも会場を訪れていた。

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