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2006年12月14日付け

 九日に返還文書の署名式が行われた旧サントス日本語学校。長年の運動にひとまずの区切りがついたことになるが、老朽化した会館の改修費用、全面返還の実現など、これからまだ解決すべき問題は多い。ちなみに、署名に立ち会った国有財産局、企画省の担当者はそれぞれ、イタリア系、ドイツ系の子孫だという。六十三年前に敵性国民とされた三国移民の子孫が、その一つである日系の接収資産返還に立ち会う。めぐりあわせというべきか。
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 一件当たり一千万円を限度として実施される「草の根無償資金協力」。西林在聖総領事によれば、「競争率が高い」と言われながらも、今年は十件ほど出ているという。総領事は「一般文化無償」や「文化遺産無償」といった制度に比べ、小規模なニーズに対して迅速かつ的確な援助を実施できると賞賛。一方で、その分総領事館側の手続きも増えるようだが。
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 サッカーの六大陸王者が世界一を争うトヨタ・クラブW杯の第三日、一三日、東京・国立競技場で準決勝を行い、ブラジルのインテルが2-1でアフリカ代表のアルアハリ(エジプト)に快勝した。一点目は十七歳のパットが決め、引き分けに持ち込まれた後、これまた十九歳と若手のルイス・アドリアーノが勝ち越し点を入れて守りきった。順当にいけば十七日の決勝で、ロナルジーニョ・ガウーショのいるバルセロナ(スペイン)と対決。「目指せ、東京!」というブラジル人応援団の言葉は、ファンならずとも心地よく耳に響く。

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