ホーム | コラム | 樹海 | コラム 樹海

コラム 樹海

2007年2月7日付け

 ブラジルで、あなたはカルナバルが好きか、デスフィレを観に行くか、サロンのバイレに参加したいか、と問えば――「否」と答える人が多い、という調査数字もある。それも年々増えているそうだ。その理由は、何でもあり、の世の中、人々の所得の向上、ものごとの価値の均等化などいろいろ▼昨年のW杯ドイツ大会でも同様なことがいわれた。旅行代理店は、W杯が嫌いで、避けたい人たちのために、「大会から逃れるツアー」を企画した。隣国から始まって南太平洋の島へ逃れる旅が商品になって、代理店はけっこう儲けたのである。サッカーべったりの夫をドイツに残していく妻たちだけのツアーもあった▼ブラジルだって、カルナバルの期間は連休になる。連休を作ってしまう。相当の日時が確保されるので、「逃れる」とは、いわないが、「騒音を避けられるツアー」が人気である。それより手軽なのは、自家用車による海や山間部の町への旅行だ。想像から余るような、モータリゼーションを象徴するような台数の車が都会を出る。お陰で都会は静かになる▼多数の人々に嫌われるカルナバルをなぜ毎年やるのか、といえば「ノーテンキなことを言う」と叱られるだろう。カルナバルは、ブラジルをブラジルたらしめている一面があるので、少なくともブラジルでは不滅である▼日本人のマカコベーリョには多い。「わしぁ、七十年にもなるが、初めから好かんかった」。たぶん、キリスト教徒でなかったからではない。(神)

image_print