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9・11と黄色い9月

 11日朝、「米国の同時多発テロ事件から18年」との報道が続いた。時の流れの速さに驚くと共に、余りにも鮮明に記憶に残る事件の一つだと痛感する。飛行機が相次いでビルに突っ込み、爆発的な火災が発生。多くの死者は遺体さえ発見されていないし、近接ビルの屋上から多くの骨片回収との報道もあった▼同時多発テロは突然の出来事で多くの人が身内や知り合いを亡くした例の一つだ。この手の突発的な事件では、遺族や関係者など、多くの人がトラウマに陥る。今年1月にブラジルのミナス州で起きた鉱滓ダム決壊事故後、ブルマジーニョでは自殺者や自殺未遂者、精神安定剤や抗うつ剤などの薬の使用量などが増えた事は弊紙でも触れた▼「世界自殺予防デー」の10日を含む9月は、「黄色い9月」と呼ばれる自殺予防月間だ。ブラジルでは46分に1人、世界では40秒に1人が自殺しているが、世界保健機関(WHO)は10日、自殺は防ぐ事が可能だと強調し、国を挙げた取り組みや周囲の人の変化に皆が注意を払う事の大切さも説いた▼ただ、自殺は大きな事件や事故後にだけ起きるものではない事にも注意が必要だ。何気ない言葉で傷つき、ふさぎこむ人もいれば、明るい笑顔を見せていた人が突然自殺する事もある。ガンである事を隠していたら、本人が余りにもあっけらかんと「僕はガンらしい」と言ったため、知っていると思い込み、否定せずに「今は医学も進歩しているからね」と同意しながら励ましたら、本人が自殺。家族から責められたという例もある。うつ病などで本人が助けを求められない時は特に、周囲の人の支えが必要だ。常に周りに目を配り、心の傷や病により添える準備を心がけたい。(み)

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