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警察庁=ポ語勉強のため6人来伯=ブラジル人集住自治体から

ニッケイ新聞 2007年12月5日付け

 日本の警察庁がポルトガル語やブラジル文化を学ぶことを目的に実施する語学研修で去る十月二十三日、在日ブラジル人の多い神奈川、愛知、滋賀、長野県などから六人の警察関係者が来伯した。一行は十二月五日まで滞伯、サンパウロ市内の語学学校でポルトガル語の集中レッスンを受け、軍警や市警関係者と会談しながら現状視察を行った。
 来伯したのは、警察大学校国際警察センターの堀口均警部補、警視庁麻生警察署の柄澤将盛巡査長、神奈川県警鶴見警察署の鈴木健一巡査部長、長野県警松本署の小澤健巡査部長、愛知県警本部の近藤智宏巡査部長、滋賀県警本部の宮川浩二巡査部長の六人。
 このほか、静岡県警察本部が独自に行っている語学研修制度で、静岡警察本部通訳センターの鈴木良近巡査部長が十一月二十日に来伯、十八日まで滞在する。
 警視庁では以前から英語や中国語、タイ語、アラビア語(テロ関係のため)などの言語能力を高めるために各国への研修を行っている。しかし、最近は各地で日系ブラジル人が増加の一途を辿っているために、ブラジルへの研修を希望することが多くなってきている。
 今回の研修参加者の大半は、勤務中にポルトガル語を使うことがなく、機会があっても月に一、二度あるかないかという。情報を得るために地元のブラジルコミュニティーを訪れたりしている人もいる。
 研修参加者の全員が警察官になってからポルトガル語を学び始め、二年以上の語学研修を行った人たち。滞在中は、ポルトガル語習得のため、サンパウロ市内の語学学校で勉強するほか、リオの軍警関係者などを訪問した。
      ◎
 来伯中の研修参加者一行は二十三日午後、石井孝長期専門家ら関係者と、JICA(国際協力機構)とサンパウロ州軍警察が連携して行っている「地域警察活動」モデル交番プロジェクトの視察を行った。
 二カ所の訪問を予定していたが、時間の都合上プラッサ・ロータリー交番(Praca Rotary、ビラ・ブアルケ区)のみを訪問。同交番に勤務するジョルジ軍曹が交番の施設や現状などについて説明した。
 初めてのモデル交番見学となる七人は食い入るように話を聞き、興味深そうに施設内を見学。勤務時間や、何人働いているかなど、細かい内容の質問に、ジョルジ軍曹は丁寧に一つずつ返答していた。
 見学を終えた鈴木健一巡査部長は「頑張っているのがすごく伝わってきた。良い所はすごくあるが、情報共有などまだまだ出来ていないところもある」と分析していた。また、小澤巡査部長は「人数に対して交番は(日本と比べて)思ったより小さかった。防弾ガラスだったのには驚いた」と感想を語った。

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