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ニッケイ新聞 2008年3月13日付け

 「(K)ASATOMARU 1908」と銘のある鐘。その鋳造の経緯がコロニアのものだと分かれば、サンパウロには現在記念モニュメントの計画がないだけに、活用してもよさそう。専門家に依頼して、科学的に製造年月日を割り出すこともあり得るが、一番確実なのは、カムチャッカ沖に沈んでいる笠戸丸を引き揚げるしかない!?
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 百周年協会に寄付をしたピニェイロスたのもし会。代表の後藤さんは、松尾執行委員長と談笑するなかで、実はお互いに一九五五年来伯「あめりか丸」の同船者であることが分かり、「奇遇ですね」と顔を見合わせた。後藤さんは当初、アマゾン移民としてフォードが造成したゴム園ベルテーラにまず入り、その後、モンチ・アレグレにも。五八年来伯の白畑さんも年次は違うが、やはり「あめりか丸」。不思議な縁に導かれた寄付だったようだ。
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 某企業関係者がサンパウロ州への工場設置のため、在聖総領事館に「比較的安全な地域」の情報提供を依頼。すると、「そんな場所はありません」とのツレナイ返事。近郊にもないのか、更に聞くと「ないが、調べて連絡します」と言ったきり、ナシノツブテ。太鼓判を押して何かあった場合の責任を恐れたか、日伯経済交流の最前線にいる領事館がこの態度では、百年を築いた移民らも浮かばれまい。後は野となれ山となれのショーモナイ役人根性は、百年前も今も変わっていない。

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