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写真館主が名誉市民=ロ市、安中さんの貢献顕彰へ

ニッケイ新聞 2008年5月13日付け

 【ロンドリーナ】=既報関連=ロンドリーナ市内で親子二代、五十五年にわたって写真館を経営してきた安中裕さん(81、北海道出身)は、昨年十二月、店を閉めた。来る六月、ロンドリーナ市議会は、移民百周年の記念すべき年に名誉市民章を贈ることをすでに決めている。
 裕さんは、写真館の仕事とは別に、古くからロンドリーナの風物を撮リ続けてきた。これらは、同市発展を無言で語る資料であり、市の協力を得て、〇六年、写真集として出版されている。
 六月の名誉市民章受章は、ロンドリーナ市や近郊のコーヒー園をテコテコ機で撮影し、市の貴重な資料としたことが評価されたもの。(裕さん自身の話)。
 裕さんは、一九二七年、父親の末次郎さん、母親のシズさんと共に渡伯した。家族はサンパウロ州イグアッペ植民地に入植、同地で写真館を開いた。末次郎さんは、進取の気質に富み、馬にまたがり、銃を携帯、撮影に出かけたりする人だった。イグアッペ十周年の記念写真帳は、ブラジルで印刷出版できないことから、一時帰国して、日本で完成させるなど努力を惜しまなかった。バストス生活を経、戦時色が濃くなった三九年、一家は日本へ引き揚げた。
 裕さんは、札幌で中学校を卒業、陸軍に志願、シベリア抑留を経験して五一年再渡航してきた、翌年、ロンドリーナ市で既存の写真館を買い取り、父子は念願の写真館経営を始めたのだった。
 ロ市の店は閉めたが、弟の勉さんは、現在サンパウロ州サンビセンテ市で「FOTO ESTRELA」を営業中。同市で三十年になり、先年名誉市民章を受章している。(中川芳則通信員)

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