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東西南北

ニッケイ新聞 2009年8月28日付け

 サンパウロ市東部のファヴェーラ・マリア・ルイーザ・アメリカノで二十六日、首都第一コマンド(PCC)が持つ麻薬の精製所と貯蔵所四カ所が摘発され、コカイン一〇〇キロを押収、四人が逮捕された。麻薬到着の日付や使用される車の情報も事前に得ていたという摘発作業は、四月以降最大の収穫。PCCとボリビアの麻薬組織との間では、月一トンの契約が結ばれており、同地区で精製されたコカインは、市内はもとより、リオのモーロにも送られていたという。
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 駐車場内での運転ミスによる接触事故は多いが、二十六日のサンパウロ市コンゴーニャス空港格納庫では、小型ジェットによる接触事故。通常の移動作業では考えられないが、米国籍の小型ジェットが引っ掛けた飛行機は三機で、中には、危険を感じてコックから逃げ出そうとした副操縦士が指を怪我したという飛行機もあったという。空の上に比べ地上は窮屈だった?
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 サンパウロ州オザスコのスーパーで七日夜起きた、サンパウロ総合大学警備員サンターナさんへの暴行事件で、二十六日に弁護士が、同件は、単なる傷害事件としてではなく、人種差別に基づく虐待事件として扱うよう要請。車の中で娘が寝ていたため駐車場に残っていたサンターナさんが本人の車を盗もうとしたと思った同店警備員が、店内に連れ込み、脅したりしながら殴る、蹴るの暴行。駆けつけた警官からも、前科三犯はいきそうな奴と決め付けられたサンターナさんは、買物も終え心配する家族の待つ車に戻り、書類を見せてやっと解放された。店長更迭、警備会社との契約破棄などの処分はされたが、脅され、自白まで強要されたサンターナさんらは、あれは黒人故に起きた虐待に他ならないという。

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