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宝のような貴重な歴史=在サンパウロ日本国総領事館=総領事 大部 一秋

ニッケイ新聞 2010年1月1日付け

 新年明けましておめでとうございます。
 日系社会の皆様ならびに在留邦人の皆様におかれましては、晴れやかに新年を迎えられましたことと心よりお慶び申し上げます。
 昨年は、日本人ブラジル移住百周年という歴史的な佳節を経て、日系社会が、再び新たな世紀を目指して進んでいく最初の第一歩の年でした。2009年という年は、日系社会の今後の展望を描いていく上で重要な意義を持った、新たなスタートの年であったと思います。
 また同時に、昨年は、赤道直下のアマゾン地方に日本人移住者が入植して80年という大きな節目を迎えた年でもあり、9月にはアマゾン入植80周年の記念式典が盛大に行なわれ、サンパウロからも大勢の方が参加されました。大変なご苦労を重ねてこられた同じ日系人としての心の絆、連帯感というものを強く感じました。熱帯地方特有の気候、風土など過酷な状況に果敢に立ち向かわれ、今日、ブラジル社会から尊敬の念を持って受け入れられている日系人の方々の不屈の開拓者魂、そして連帯感を誇りに思うと同時に、衷心より敬意を表したいと思います。
 私は、昨年1年を通して、「移民の日の法要」や「日本祭り」、また各地の入植地や各県の周年行事、お祭りなど日系社会で行なわれた多種多彩な記念式典や記念行事などにご招待いただき、その数多くに参加させていただく機会を得ることができました。
 そうした折に、日系人の皆様から、紆余曲折を経ながら大変な苦闘を重ねてこられた貴重な歴史や地域社会への貢献などに関する宝のようなお話を直接お伺いできたことは、私にとって大きな感動であり、大変貴重な財産となりました。深く御礼申し上げます。
 こうした100年に及ぶ苦闘と努力の歴史の上に、今や多くの日系人の方々が広くブラジルの各界で目覚しい活躍をされています。私も各地で日系人の方々のご活躍の姿を直接目の当たりにしてきましたし、いろいろな方から日系人の皆様の活躍振りについてお聞きしてきました。
 皆様がブラジル社会に対し大きな貢献をされてこられていることを肌で強く感じてきました。本当に嬉しく思うとともに、未来を担う後継の若い世代の青年たちが、大きくたくましく育ち大活躍されることを強く念願します。
 さて、現在、この豊かな国土、自然を有するブラジルの潜在能力の大きさは、世界から大変な注目を浴びています。それを裏付けるかのように、2014年にはサッカーのワールド・カップが、更に2016年には南米大陸初のオリンピックが、ここブラジルの地で開催されます。
 私は、ブラジルは、2022年に迎える独立200周年に向け、今後大きく発展していくものと確信します。日伯関係もこれに合わせて、政治、経済、文化の各分野でその緊密なパートナーシップを更に拡大、深化させていくことになると考えています。日伯関係の未来は洋々と開かれていると思います。
 日系社会の皆様ならびに在留邦人の皆様にとって、2010年が未来への大きな飛躍の年になることを心より願います。総領事館としても皆様のためにできる限りの協力をさせていただきたいと思っています。
 最後に、皆様おひとりお一人のご健勝とご多幸を深く祈念し、私の新年の挨拶とさせていただきます。

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