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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2010年12月8日付け

 「テレだけは監督として特別、怪物だ。他は全部ジャポネースだ」。ムリシー・ラマーリョ監督は07年にサンパウロFCで2度目のサッカーブラジル選手権制覇を決めた時に、そう言った。この場合の「ジャポネース」は勤勉、実直さを重んじる〃秀才〃の意のようだ。超激戦だった今年の同選手権を制したフルミネンセの監督でもある▼名将テレ・サンターナは80年代に2度も煌びやかなスター軍団を率いてW杯に臨んだが、ありえない敗北に泣いた。ペ・フリオ世代と呼ばれ、〃天才〃だったが運には恵まれなかった。そんな名将テレの助監督としてムリシーは90年代に手ほどきを受けた。テレは代表監督で味わった苦渋を、サンパウロFCのトヨタ杯2度優勝で跳ね返し、世界一を謳歌した▼ムリシーは同FCで06年から同選手権3年連続優勝を決めたが、今年中頃にリベルタドーレス杯敗退の責任を問われて解任され、フルミネンセが拾ったことは記憶に新しい。ついこの間まで3部リーグに低迷していたあのチームだ▼97年に2部へ、翌98年には3部にまで急降下した。1902年創立の伝統あるチームの没落だった。建て直しを始めたのは、94年にブラジル代表をW杯優勝に導いたカルロス・パレイラ監督だ。同W杯であまりに守備的な試合展開をしたために国民から嫌われ、優勝したにもかかわらず国内チームからお呼びが掛からなかった時期だ。彼が99年に3部リーグで優勝させ、そこから再浮上が始まり、今回26年ぶりの全伯制覇を達成した▼日系サッカー選手の活躍はまだ先のようだが「ジャポネース」監督の勝利を喜びたい。(深)

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