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東西南北

ニッケイ新聞 2011年7月30日付け

 27日に行われたブラジル選手権の対フラメンゴ戦で、そのドリブル力を遺憾なく発揮して得点したサントスのネイマール選手に対し、〃王〃ペレが「1枚とは言わず、5枚のプレートを」と注文。1958年の対パルメイラス戦をサントスが7対6で制した時のペレを髣髴(ほうふつ)とさせるような見事なシュートは国内外からも注目され、ヴェラ・ベウミロの競技場に記念プレートを残す事が決まったもの。試合は4対5で負けたが、前半25分と後半5分に2点を決めたシュートの内、1点目のシュートは、旅行帰りで途中からしか観戦できなかったペレの心を捉え、遠い昔を思い出させた。
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 サンパウロ市東部のヴィラ・グラナダで28日、バイクで出勤途上の軍警が、セロウで補強された凧糸で死亡するという事件が起きた。地下鉄3号線脇を通る道を走っていて、側の空き地で興ずる凧の糸がのどに引っかかったもので、ヘリコプターで病院に運ばれたが助からなかった。軍警は安全確保のために設置を義務付けられていたアンテナを付けておらず、無防備となっていたのど笛を糸が切り裂いた形となった。現場に残っていた凧糸は回収され、警察が関係者を捜査中だが、25歳で逝った軍警とその遺族の事と共に、ただの遊びのつもりで人の命を奪ったという呵責を一生背負って生きていくであろう人物の事が気にかかる。

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