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東西南北

ニッケイ新聞 2011年12月14日付け

 貧しい子供達のクリスマスの夢が消えた—。エスピリトサント州カリアシカ市のカンポ・ヴェルデ地区で13日未明に起きた放火事件で燃えたのは、貧しい家庭の子供達を集めてクリスマスパーティーを開くのを楽しみにしている女性が買い集めた200個のおもちゃと飲み物を冷やすための新品の冷蔵庫。幼い頃におもちゃを貰った人々がボランティアとして協力するほど、地域では定着していたささやかなクリスマスの祝いの夢をぶち壊したと見られているのは元娘婿。妻は保護されて近づけないから母親を脅迫していたという話から見て、家庭内暴力などが起きていた可能性大だが、商売で稼いだ金の一部を取り分け、1年かけて準備したおもちゃを消失したマリア・デ・ジェズス・ソウザさんは、「クリスマスが祝えないなら、生きている意味もないから死んだ方がまし」と嘆いている。
     ◎
 2014年は学校の授業開始を早め、W杯期間中は学校を休校にする法案が提案されたという。2002年日韓W杯時の日本では同様の提案が出なかったことを考えると、主催国のブラジルにとって、W杯がいかに大きな存在であるかが伺える。子供たちは1月に授業開始とはいえ、「W杯期間は中学校に行かなくていい上、試合が全部見れるなんて!」と大歓迎? 「セレソンが負けて休校切り上げ」などということはないと思うが…。

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