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サンパウロ市カーニバル=コシノジュンコさんが出場!=日系人アーラ、存在感放つ=「心がひとつになった」

ニッケイ新聞 2013年2月14日

 【既報関連】サンパウロのカーニバル4日目の12日未明、サンパウロ市の会場サンボドロモでグルッポ・プリメイロ(グルッポ・エスペシアル、グルッポ・アセッソの下)の12チームのパレードが行なわれ、最後に登場した「バロッカ・ゾナ・スール」には服飾デザイナー、コシノジュンコさんが自らデザインした衣装を着て参加した。来月放映予定のNHKBSプレミアムのドキュメンタリー番組「旅のチカラ」の企画。パレードにはコシノさんのほか、福嶌教輝在聖総領事、日本人駐在員や日系人など約90人が出場し、他のアーラを圧倒する一体感で力いっぱい、楽しそうにサンバのリズムを刻んだ。

 「一生に一度はやってみたいと思っていた」というコシノさんはパレードの後、「とても満足感がある。素敵な体験をさせてもらった。皆さんの心が一つになった気がする」と感激した様子で話した。
 自らのデザインに関しては「典型的なカーニバルの衣装ではなく、珍しかったと思う。人が見たことがないものを作りたかった」と自信をのぞかせ、「一回だけじゃもったいないとも思う」と次回への意欲も見せた。
 かつて名門だった同チームは、一昨年にグルッポ・プリメイロまで降格。初めて日本移民をテーマにパレードをしたチームでもあり、コシノさんの参加で昇格を図ろうと、本番に向けて練習に取り組んできた。
 テーマは、チームが拠点を置くサンパウロ市ジャバクアラ区の歴史。コシノさんが担当したのは、ジャバクアラで最初に日本人が入った地区ジャルジン・オリエンタルを表現した〃日系人アーラ〃だ。
 アーラはパレードの中盤、一番前で踊った花魁に扮した女性を先頭に登場した。「本当に出ると知ったのは、つい一週間前」と本番前笑いながら話していた福嶌総領事は、提灯を掲げ、白い上下のはっぴ姿で力強いステップを踏んだ。
 それに続き、銀色の衣装に身を纏ったコシノさんが現れ、鮮やかなピンクと緑の衣装を着た集団約90人に交じって軽やかに踊った。
 パレードの後、太陽が昇り始めた空の下で顔中に汗を浮かべた出場者らは、興奮冷めやらない様子でコシノさんとの記念撮影に興じていた。初めて出たというサンパウロ市在住の日本人女性は、「すっごく楽しかった! 練習の成果が出たと思う」と満足げに話した。
 アーラの中でも飛びぬけて元気に踊っていたパウロ・ヨリオカさん(22、四世)は友人2人と参加した。他のチームでも踊った経験があるが、「キモノみたいで、10点満点の衣装。軽くて踊りやすかった。いろんな人と知り合いになれて楽しかった」と笑顔で話した。

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