ホーム | 日系社会ニュース | W杯ギリシャ戦=青い大応援団の声援届かず=日の丸圧倒的なナタル競技場=勝ち抜き戦進出に黄信号=「がっかりです」と溜め息

W杯ギリシャ戦=青い大応援団の声援届かず=日の丸圧倒的なナタル競技場=勝ち抜き戦進出に黄信号=「がっかりです」と溜め息

 【酒井大二郎記者=ナタル発】サッカーW杯を戦う日本代表は19日、リオ・グランデ・ド・ノルテ州都ナタル市のエスタジオ・ダス・ドゥナスでギリシャ代表と対戦し、0対0で引き分けた。スタジアムの3割近くが日本人で埋まったほか、親日ブラジル人も大挙してスタンドから声援が送られたものの、退場者を出したギリシャを崩し切れず、2戦を終え1分1敗の成績で決勝トーナメント進出に黄信号が灯った。

 「ギリシャのサポーターはどこ!?」。開門の直前の午後4時頃、スタジアム北側ゲートの監視員からそんな冗談が聞かれる程、会場は多くの日本人で溢れた。日本側ゴール裏席の3分の1以上は日本代表の青いシャツを着た応援団で占められたほか、メインスタンド一階席の4割近くも青く染められた。
 現地日本人会関係者の「ナタルのブラジル人の8割以上は親日」との言葉に違わず、日本チームを応援するブラジル人も数多く来場した。同市の会社員アルフレッド・サントス・ジュニオールさん(42)は、「知性があって、優れた技術を持っている日本を尊敬している」と日本の国旗を手に笑顔で話した。日本人サポーターと熱心に記念撮影に興じていたユリ・テオドシオさん(30)も「日本を旅行した時に、その文化や美しい街並みに凄く良い印象を受けて以来日本が好き。今日は絶対勝つ!」と日本チームへの応援を誓っていた。
 キックオフが迫り、国歌斉唱が始まると、会場の雰囲気はさらに日本寄りに傾いていく。試合開始とともにニッポン・コールがスタジアムに響き、日本のチャンスには大きな歓声が、ピンチにはため息が会場全体から感じられるなど、ホームさながらの雰囲気が作られた。
 前半38分にギリシャ選手が2枚目のイエローカード受け退場し、日本は数的優位に立つも、大柄なギリシャ選手の体を張った守りを崩せず、前半を無得点で終える。後半になっても、露骨な時間稼ぎを繰り返す相手にペースを乱され、最後までゴールを割ることが出来ず、0対0で試合終了を迎えた。
 試合後、ピッチを茫然と見つめ、立ち尽くしていた丸山純平さん(39、東京)は「がっかりです」と吐き捨て、「絶対に勝ち点3が必要だったのに、そういう試合運びには見えなかった。(交代枠を一つ残すなど)采配にも疑問が残る」と唇を噛んだ。 
 日本のグループリーグ突破には、次節コロンビア戦(24日、クイアバ)に勝利した上で、ギリシャ対コートジボワールの試合が引き分けまたはギリシャの勝利とならなければならない。前者の場合はコロンビア戦を2点差以上で勝つことで突破が決まり、後者の場合は得失点差に左右される。

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