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活動報告と今後の抱負を語った谷先生
活動報告と今後の抱負を語った谷先生

富山村 谷先生が活動報告=授業で「ゆるキャラ」作りも

 県立富山北部高校情報デザイン科の美術教師、谷英志さん(33、富山)が、昨年8月からサンパウロ州ミランドポリス市第3アリアンサ(富山村)の日本語学校に着任している。1月の夏休みを利用して訪れたサンパウロ市で、赴任後の活動を報告した。
 過去に派遣された学生時代の先輩から勧められてブラジル行きを決めた。アリアンサでの日本語教育には以前から関心があり、「言葉や文化を学び、異国でも良き日本人になろうとする姿や歴史に惹かれた」と移民史にも興味を寄せる。
 生徒は12人で純血、混血、非日系が同等の割合で在籍する。お話し大会や盆踊りなど、従来の行事に加え新しい試みも。日本で流行する地域振興のための「ゆるキャラ」(ゆるい印象のマスコットキャラクターの略)を同地区でも創作しようと、生徒たちに作品を描かせたという。
 「キャラクターはここにしかないものを題材にする必要がある。地元と他の地域を比べることで、知識を深めることができた」と成果を報告。昨年12月には地区全体で選挙を行ない、〃村公認〃のゆるキャラが誕生したという。
 大学卒業後は美術を学ぶため渡仏した谷さん。2年間の海外経験もあってか、「ホームシックはない。日本らしい雰囲気にも助けられている」と生活環境にも適応している様子。空き時間には芸術活動も進めており、「絵を描く時間もあるので有効に使いたい。ここにいる間に作品展も行なえれば」と語り、「もちろん日本語学習の貢献も!」と語り、16年3月までの任期いっぱい、充実した活動を行なうとの意気込みをみせた。
 富山県は1978年から第3アリアンサに教師を派遣しており、谷英志さんが19代目。長野県(第1)は05年から一期2年のみ、鳥取県(第2)は94年開始で11代目を迎えるが、富山には及ばない。また同県では、県が受け入れた元ブラジル人留学生が後に県庁職員になる例もあり、国際理解の高さを示しているともいえそう。今年は富山県人会が創立55周年、富山サンパウロの州県友好提携も30周年を迎える。結びつきの強さを、改めて実感できる一年となりそうだ。

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