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一番売れ筋のクレープ・エスペシャルを手に石川さん
一番売れ筋のクレープ・エスペシャルを手に石川さん

現代日本風商売が次々に=青年たちが果敢に挑戦

 うどん、お好み焼き、弁当などデカセギ世代が日本の色々な今風の食文化導入を試み、新しい商売が栄枯盛衰を繰り返している。中でも今回紹介するのは、珍しく日本式クレープの「Hachi」と、デカセギ経験はないがアニメや特撮戦隊モノが大好きでパンク系和風居酒屋「IZAKAYADA」まで開いてしまった興味深い例だ。現代日本風にこだわりを持つ若者たちの試みは、果たして成功できるか。


Hachi=「日本式クレープどうぞ」=大福、ブラウニー入りも

 うどん、お好み焼き、弁当などデカセギ世代が日本から色々な食文化を持ち込んで栄枯盛衰を繰り返している。中でも日本式クレープをウリにした『Hachi』は3年間も続き、目抜き通りのガルボン・ブエノへの移転を予定している成功例の一つだ。
 経営者の石川ミリアンさん(32、三世)によれば、売れ筋はずばり「クレープ・ジャポネース」。特にクレープ・エスペシアル(10レアル)が一番良く出るという。果物3種、生クリーム、アイス、チョコ棒などが入っており、量もたっぷり。価格帯は7・5~14レアル。
 3度に分けて計3年間アルバイトで訪日した石川さんが、最後の1年間を過ごしたのが埼玉県草加市。週末になると原宿に出て日本の文化や流行に触れるのが何よりの楽しみだった。その時に出会ったのがクレープで、渋谷駅前のハチ公像から店名もとった。
 そんな「原宿スタイル」の商品には「大福クレープ」も。新商品にはクッキー「OREO」入り、ブラウニー入り、ブルーベリー入りなどもある。
 「日本ではどの店も対応が凄く良いし、道がキレイ。日本のオルガニザソン(組織性)には本当に感動した」と振りかえる。「そんな日本の文化の一端を持ち帰れれば」と店を始めたのが11年11月で丸3年が過ぎた。
 同店の特徴は実は甘味でなく、カラブレーザ味、ツナマヨ味、カレー味、卵ハムチーム味、チキン味など昼食メニューが豊富な点だ。皿で提供する「ブラジレイロ1、2」「イタリアーノ」「フランセース」「ポルトゲーザ」など当地式に順応させたクレープ・メニューがあり、非日系の若者客の姿が目立つ。「週末は客の数が3倍になる」とか。
 現在はリベルダーデ広場、ツニブラ側の並びの橋に近い方にあるが、ガルボン・ブエノ街への移転を検討中という。
◎住所=Av. Liberdade, 326、午前10時半から午後7時。休日なし。


IZAKAYADA=パンク系和風居酒屋バー=リベルダーデ路地で営業中

「気軽に足をのばして」と呼び掛けるヤダさん

「気軽に足をのばして」と呼び掛けるヤダさん

 聖市リベルダーデ区のプラッサ・カルロス・ゴメスに昨年11月から、一風変わった和風居酒屋系パブ『IZAKAYADA』(Praca Carlos Gomes, 61)が開店している。店主はロックンロールやアニメが大好きなレナト・ヤダさん(46、三世)=聖市生まれ=だ。
 赤く壁が塗られた店内には、「5歳から集めだした」というウルトラマン、ゴジラなどのフィギュアが並び、プロレスの覆面も飾られている。米国などで人気の日本人女性バンド「少年ナイフ」のBGMに、昭和のアニメが放映されるギャップからすれば、いわゆる日本風居酒屋ではなく、〃パンク系居酒屋バー〃といった店構えだ。
 「日本風の居酒屋はどこも値段が高め。誰もが手軽に楽しめる店を出したかった」と話すヤダさん。訪日経験はないが、「母がにしめなどを作ってくれていた」と日本食にもなじみがある。店主自らが煮込むという豚の角煮(18レ)は、パンクな店の風貌からは想像もつかない家庭的で繊細な味をかもし出している。
 豚カツ(14レ)、手羽先フライ(16レ)、ワサビ・チリソースが付け合せのタコスチップス(16レ)、キリン一番絞り(10レ)もあって日本人客にも好評だ。
 席数はカウンター、テーブル2台の約20人。営業時間は火~土曜日の、午後6時から午前0時までとなっている。問い合わせはヤダさん(11・98985・5469)、詳細はフェイスブック(www.facebook.com/izakayada)で。


【大耳小耳コラム】

 「日本のクレープとおんなじ味」と好評なのがHachi。実は石川さんは大学では経営学を専攻、日本食業界とは縁がなかったとか。でも母親が自宅でケーキを作って販売するのを手伝ったりしていたことから、「大体の基礎は知っていた」とか。実は食にうるさい本紙記者も行きつけの店で、「待ち列が長くなると困るから記事にしない方がいい」との意見も。今のところ日本式クレープ屋は唯一のようだが、評判を聞きつけ、いずれ競合店も生まれるに違いない。
     ◎
 これまでの居酒屋の常識を覆す、レナト・ヤダさんの〃パンク系居酒屋バー〃「IZAKAYADA」。最初は「居酒屋だ!」というありがちな妙な日本語店名かと思ったら、最後の「YADA」は店主の苗字からとか。一人あたりの予算は30レ~で、「軽く一杯」という場合に重宝し。日系信者が多く通うサンゴンサーロ教会のすぐ裏だし、目の前のバス停はイビラプエラ公園、コンゴーニャス空港、ジアデーマ方面にのびており、待ち時間にも利用できるかも。でも安いからって、くれぐれも飲みすぎには注意して。

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