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 昨年6月頃に永住帰国した日本舞踊の池芝流家元、池芝緑さんから年賀状が届いた。昨年4月の「さよなら会」では、48年間の在伯中に弟子300人と名取20人を育て上げた人柄を惜しむ声が多く聞かれた。その時、舞台に正座した池芝さんは「なぜだかブラジルに馴染めなかったのよね。サントス港に着いた時に、ああ、来るんじゃなかったと思った。その気持ちを引きずったのよ」と言っていた。今回、東京都杉並区から来た年賀状には、「帰日して半年となり、ようやく落ち着いてきました。こうして遠く離れるとサンパウロの皆さまが懐かしく思い出されます」とある。「遠く離れると懐かしくなる」というのはある種の故郷感覚。日本に帰ると、逆に伯国が〃故郷〃になる?
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 作家の醍醐麻沙夫さんが移民百周年記念事業として作った「ブラジル移民文庫」ホームページでは、当地で発行された日本語書籍の多くが絶版で入手困難となっている状況を鑑み、デジタルデータに変換して誰でもコンピューターで読めるように公開している。佐藤常蔵氏の『ぶらじる全史』に始まり、移民の歴史、地方史、県人史、農業、教育、日本語の教科書、医療、宗教、芸術、スポーツなど移民史の基礎的文献を網羅した大変なプロジェクトだ。見たことがない方は一度のぞいてみては。アドレスは(www.brasiliminbunko.com.br)。
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 「日伯友好病院以外の施設の収支合計は赤字」という話を聞いた人の中には、「援協自体が毎月大赤字を出している」と誤解する人がいるという。確かにあけぼのホームやサントス厚生ホームなど日系人福祉のための施設はみな赤字になっているが、援協全体の収益の95%程度は日伯友好病院がたたき出しているので、病院さえしっかりしていれば、援協自体の経営はまったく問題ないとのこと。平たく言えば、病院の大きな収入で、万年赤字の傘下日系福祉施設を補っている構図。理事のみなさん、屋台骨の病院経営がゆるがないよう、今年もしっかりお願いしますよ!

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