ホーム | 日系社会ニュース | 日本館=文化展示会を初開催=日産と文協が強力タッグ=工芸、盆栽、生け花3本立て
14年4月に開設された日産のリオ州レゼンデ工場(Foto: Nissan Brasil/Fotos Publicas)
14年4月に開設された日産のリオ州レゼンデ工場(Foto: Nissan Brasil/Fotos Publicas)

日本館=文化展示会を初開催=日産と文協が強力タッグ=工芸、盆栽、生け花3本立て

 自動車メーカー大手の日産から支援を受け、ブラジル日本文化福祉協会(呉屋春美会長)が21日から、聖市イビラプエラ公園内の日本館で『日本文化展示会』を行なう。25日の聖市誕生記念日をはさんで来月末までの開催中で、工芸や盆栽、生け花といった展示品が来場者を迎える。

 リオ五輪公式スポンサーでもある日産の文協支援は、ブラジル経営戦略の一環だ。2014年にリオ州レゼンデに工場を開設し、今月4日には新車キックス生産を発表した。同車生産には18年までに7億5千万レアル(約230億円)を投じるなど、伯国市場に力を注いでいる。
 日産のカルロス・ゴーン社長兼最高経営責任者(CEO)はポルト・ベーリョ生まれで、幼少期を伯国で過ごした。「コストキラー」の異名を持つ同氏が、大不況下の伯国でそれだけの投資をするからには、勝算があると計算しているに違いない。その戦略の一端が、文協との提携だ。
 日本館への関心の高まりは、大手TVメディア「グローボ」の報道がきっかけ。同社の有名レポーターで、自然環境や建築関係を担当するアナンダ・アップルさんが13年5月、中島工務店の日本館修復作業を紹介したことで認知が広がった。昨年末の修復作業には、週刊誌ベージャなども取材に訪れていた。
 事務局は「建築構造や技術など、日本館自体に関心を持たれたことはこれまでなかった」と変化を語る。一連の報道により企業から注目されるようになったようだ。文協事務局によれば、同館を使った大規模イベント開催は、南米銀行があった約20年前までさかのぼるという。
 展示物には工芸、盆栽、生け花の三つが選ばれた。文協と関係の深い文協工芸委員会、伯人愛好家による盆栽会、池坊華道会南米支部がそれぞれの運営を請け負う。
 陶芸は著名な鈴木章子さん、川上久子さん、委員長を務める生駒憲二郎さんらの作品が並び、盆栽も50点以上が用意される。サンパウロ市誕生記念日(1月25日)と毎週末には、尺八奏者のシェン響盟さんの演奏会もある。日本館修復が昨年の外交120周年記念事業の一つだったため、年は明けたがこのイベントも同認可を受けた。
 イベントは21日から来月28日まで開催。開館時間は通常通り午前10時~昼12時と午後1~5時で、入場料は一般10レアル(小児、高齢者など半額)。最寄りゲートは10番。問い合わせは文協(11・3208・1755)まで。


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 日産の協力を得て開催される、日本館での文化展示会。日本の日本人が日産と聞くと自国企業という認識だろうが、ブラジルでは「ルノーの子会社」というイメージがまず浮かぶのでは。打ち合わせのため聖市支社を訪れた某文協職員によれば、「社員は非日系ばかり。しかも会話した限りでは、本社のあるリオ訛りの者ばかりの印象」という。日本に関連の深い企業であることは間違いないが、ブラジル子会社は、なんとかく〃日本企業〃とはいいづらい雰囲気か。というか、日本企業がグローバル化した証左で、こっちの認識が遅れているだけ?

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