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 1月発行の「コチア青年会報」第33号は読み応えがある。8年間も勤務した事務局の樺島幸子さんが2月の総会を機に退職するというショックな「お別れの挨拶文」に始まり、花嫁移民の体験談が続々と掲載されているからだ。秋吉寿子さんは最初、リオのマカエ入植地にいた頃、庭にドラム缶をすえて何の囲いもない露天風呂で「とっても恥ずかしい思いをした」という。ブラジル人の子供に覗き見され、家の中の金ダライですませるようになった。夫は「見られて減るものでもなし」というだけ。子供が産まれ、知り合いが夫に「露天風呂では子供が風邪を引く」と注意すると、翌日には囲いを作ったので「あきれた」とか。花嫁移民の悲喜こもごもが綴られている。
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 インターネットで「サンバ」と日本語で検索すると「ブラジル不況でカーニバル中止へ」といった見出しの記事がいくつか出てくる。日本の日本人の9割は「カーニバル=リオ」という認識を持っているから「リオが中止になるらしい」と勘違いした書き込みをしている人までいる。あまりに多くのニュースに触れる現在、見出しだけ読んで終わる人も多い。全伯各地で地方自治体ごとにカーニバルは行われるから、中止する地域があるのは事実。とはいえ、リオ中止はありえない。「見出しで目を引かなくては」という思いは分かるが、あまりに誤解を招きやすいものはいかがなものか。

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