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 リオ五輪で観戦に訪れる邦人向けに、援協が作製した緊急連絡先カード。3千枚を作り旅行会社や日系団体に分配したのだが、在リオ総領事館の市外局番が「21」ではなく「11」という誤表記があった。順次、職員らが油性ペンによる修正を行なっているのだそう。当地の人間なら気付くこともあろうが、日本人にはかなり混乱を招きそう。すでに手元に持っている方はご注意を。
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 短歌誌『椰子樹』369号(椰子樹社=多田那治代表)が6月に刊行された。《口紅の付きたるグラス数多あり白寿の祝いに乙女等多し》(マリンガ、川上淳子)は老いと同時に明るい将来を漂わせる作品。いまの国民感情を見事に言い表したのは《民主主義熟したる感与えれど先行き不安ブラジルの国》(サンパウロ、金城ヤス子)か。《難聴の主が留守の隣家のテレビは今朝は音下げており》(マリンガ、川上定子)も生活感が溢れた歌。《この子らを救えと募る義援金汚職の多額を報道せしのち》(サンロッケ、高橋暎子)はグローボTV局の募金活動「クリアンサ・エスペランサ」とニュース報道の明暗を表現したのか。実に考えさせられる作品。

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