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インフラ支援=政府間協議の新設を合意=11年ぶり、テメル大統領訪日=ブラジルへの投資呼びかけ

)天皇陛下と会見したテメル大統領(Foto: Beto Barata/PR)

)天皇陛下と会見したテメル大統領(Foto: Beto Barata/PR)

 ミッシェル・テメル氏は18、19両日、ブラジル大統領としては11年振りに日本を公式訪問した。インドのゴアで開催された新興五カ国(BRICS)首脳会談を終えて訪日した同大統領は、19日に経団連の懇親会に出席したのち、天皇陛下と皇居でご会見。その後、首相官邸で安倍首相と会談し、インフラ投資への協力強化や国連安保理改革など、両国間の更なる関係強化を図ることで合意した。

安倍首相と固い握手を交わしたテメル大統領(Foto: Beto Barata/PR)

安倍首相と固い握手を交わしたテメル大統領(Foto: Beto Barata/PR)

 大統領就任後、訪問先として最優先に日本を選んだ理由について、朝日新聞19日付で同大統領は、「日本との経済、文化関係を重要視している証拠だ」とアピールし、「100年以上の伝統的なパートナーである日本からの投資を呼び込みたい」と訴えたと報じた。
 またエスタード紙19日付けは、「ジウマ前大統領が直前になって2度の訪日キャンセルによって生じた両国間の外交上のわだかまりをなくすための機会」とも訪日意義を報じている。
 経団連の懇親会には、ブラジルから経済使節団を引き連れて出席。政治への信頼回復に自信を示した上で、ブラジル政府が進める輸送やエネルギー分野におけるインフラプロジェクト『投資パートナーシッププログラム(PPI)』への投資を呼びかけた。
 一方、経団連の榊原定征会長は、投資拡大には、関税やコスト削減による投資環境の開放性や、交通インフラなど環境整備の必要性に言及。ブラジルに進出している日系企業は700社ほどで、ブラジルへの直接投資額は第6位を占める。だが、ペトロブラス関連の経済危機で損益を被った企業もあり、さらなる投資には、「一歩下がった状態か」とエスタード紙は報じた。
 皇居を訪れたテメル大統領は、天皇陛下とご会見。日系人が話題に上がり、様々な分野で日系人が活躍していることを天皇陛下が喜ばれると、テメル大統領が、リオ五輪の開会式で日本選手団が入場した際に大きな歓声で迎えられたことを紹介したと朝日新聞は報じている。
 首相官邸での安倍首相との会談では、基本的な価値観を共有する重要なパートナーであることが再確認された。
 国連安保理改革については、推進する方向で一致。フォーリャ・デ・サンパウロ紙19日付は、安倍首相が東シナ海や南シナ海での航行の自由に言及したことを取り上げ、「経済、政治、領土における問題で中国と紛争を抱える日本にとって、常任理事国入りは重要」と分析した。
 また、インフラ整備の支援に関する政府間協議の場を新たに設けることで合意。日本経済新聞19日付けは、安倍首相が「インフラ分野で大きな投資機会がある。経済関係を一層強化してゆく」と語ると、テメル大統領は「日本企業の新たな投資をお願いしたい。一次産品のみならず、付加価値のついたブラジル製品を日本に輸出したい」と応じたと報じている。


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 モデル出身で美人と評判のテメル大統領夫人。19日、大統領が天皇陛下との会見や安倍首相と会談を行う一方で、マルセラ夫人は新幹線で首都圏近郊のポ語を教育している学校を視察したとフォーリャ・デ・サンパウロ紙19日付は報じている。そこでの講演のなかで「夢をあきらめてはいけない。子供たちの夢を諦めさせるようなことを、誰にも言わせてはいけない」と訴えたとか。これを機会に、日本のブラジル人コミュニティにも焦点が当たって欲しいところ。

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