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東西南北

 シャペコエンセの飛行機事故での合同葬儀と、ラヴァ・ジャットを守るための全国規模でのデモでブラジルが持ちきりだった週末、ルーラ元大統領とジウマ前大統領はキューバに飛び、フィデル・カストロ氏の葬儀に参加した。両氏がにこやかに、ラウル・カストロ評議会議長やベネズエラのニコラス・マドゥーロ、ボリビアのエヴォ・モラエス大統領らと一緒に収まった集合写真は、昨今の世界的なポピュリズム台頭もあり、一種の結団式のようなものにも見えた。「ルーラ氏はキューバに亡命するのでは」などという噂も流れていたが、労働者党党首の弁によれば、18年の大統領選出馬は確実なよう。ここから巻き返しはあるのか。
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 一方、サンパウロ市ではジョアン・ドリア次期市長が、来年からの市政に向け準備中。事業契約の見直しや、教育や保健をのぞいた部門での財政支出25%カットなどで、緊縮財政をアピールしている。中でも注目されるのは、公用車1300台を売却し、公務員にはタクシーやウーベルを奨励するという案。市民の感情を肌で感じたいなら、バスや地下鉄も是非使っていただきたいが、わかりやすい緊縮アピールにはなりそうだ。
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 4日のサッカーの全国選手権はシャペコエンセへの服喪で休みとなったが、世界のサッカー界からの追悼は止まらず、オランダ・リーグのブラジル人選手ナタン(フィテッセ)が得点を決めた後、ユニフォームを脱いでシャペのTシャツを見せる一幕や、喪章付でプレーしたチームなどが見られた。事故後初の公式戦は7日予定のブラジル杯決勝。はたしてどうなる?

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