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《ブラジル》検察庁が収賄容疑でテメル告発=現職大統領では初の不名誉=ロウレスの疑惑の50万レで=今後もさらに起訴続く?

26日のテメル大統領(Marcos Corrêa/PR/Fotos Públicas)

26日のテメル大統領(Marcos Corrêa/PR/Fotos Públicas)

 ブラジル連邦検察庁のロドリゴ・ジャノー長官は26日夜、テメル大統領を収賄容疑で起訴した。現職大統領が起訴されるのはブラジルの歴史上、初めてのこととなり、波紋を投げかけている。27日付現地紙が報じている。

 ジャノー長官は、JBS社社主のジョエズレイ・バチスタ氏による報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)と、大統領の元側近で現在逮捕中のロドリゴ・ロシャ・ロウレス元下議の50万レアルの受取をテメル氏に対する告発の根拠とした。
 大統領とジョエズレイ氏は、「疑惑の会話の録音」が行われた3月7日に、JBS社が経済防衛行政審議会(Cade)に抱えていた問題を解決する約束を結び、その解決役としてロウレス氏を紹介されていた。
 ロウレス氏は4月にJBS社渉外担当理事のリカルド・サウド氏とサンパウロ市で会い、賄賂の額や受け渡し方法などを話し合った。その翌日、サウド氏から50万レアルの入ったカバンを受け取ったときの様子は連邦警察が録画していた。
 ジャノー長官はこの金はロウレス氏がCadeに対し、JBSが所属するJ&Fグループの電力会社アンバールがクイアバーに持っている火力発電所への天然ガス供給で便宜を図った見返りと見ている。JBSはロウレス氏に同発電所の事業によって見込まれる収益の5%相当の額を毎週払うことを約束している。
 ロウレス氏は賄賂の額などの交渉時に「ボスに了承をとる」などと発言しており、ジャノー長官は、テメル大統領とロウレス氏は総額3800万レアルの賄賂を受け取る約束を取り付けていたとしている。
 ジャノー長官は、テメル大統領とロウレス氏は何年も共謀しており、ロウレス氏が50万レアルを受け取った時も、大統領代行として振舞ったと理解している。サウド氏はロウレス氏との会話の中で「これで大統領も年金が確保できた」といった表現も使っている。
 この告発により、テメル大統領はブラジル史上、現職で収賄告発を受けた初めての大統領となった。1992年にはフェルナンド・コーロル氏も収賄容疑で起訴されたが、同氏は当時既に大統領罷免の過程で停職処分となっていたため、「現職中に起訴された」例にはならない。
 連邦検察庁からの起訴状は最高裁のラヴァ・ジャット作戦報告官のエジソン・ファキン判事に届けられており、同判事が下院に回すか否かを決める。下院では憲政委員会(CCJ)が最初に受け取り、そこでまとめた意見書を本会議で審議する。下院本会議で全体の3分の2にあたる342人以上が賛成し、最高裁もこれを受け入れれば、大統領は被告となる。
 テメル大統領に関しては、エドゥアルド・クーニャ元下院議長らへの口止め料支払いによる捜査妨害や、ジェデル・ヴィエイラ・リマ氏らの現・元側近を含む犯罪組織形成容疑での起訴が予想されている。また、26日にはロウレス氏と共に資金洗浄を行った疑いで捜査開始要請が出された。

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