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《リオ市》人権派女性市議マリエーレ氏殺害事件から丸3カ月=情報なく、いらだつ遺族

リオ州検察本部前で、マリエーレ市議殺害事件の早期解決を訴える、アムネスティ・インターナショナルの人々(Tania Rego/Agencia Brasil)

リオ州検察本部前で、マリエーレ市議殺害事件の早期解決を訴える、アムネスティ・インターナショナルの人々(Tania Rego/Agencia Brasil)

 3月14日にリオ市で発生した、マリエーレ・フランコ同市市議(自由社会党・PSOL)と運転手のアンデルソン・ゴメス氏の殺害事件からちょうど3カ月。
 自らも、社会的、性的少数者のプロフィールを持ち、貧しい人々に寄り添い続けた左派のシンボル的存在でもあった彼女の死は、ブラジル内外で大きな反響を呼び、国際人権団体の「アムネスティ・インターナショナル」からもブラジルの人権保護事情について注文が入るほどだった。
 5月には、「『彼女の活動を快く思っていなかった別のリオ市議が首謀者』との証言が出た」と大手紙グローボのスクープも出たが、捜査担当のリオ市警はこの情報を公式としておらず、証言で名前が挙がったとされる市議も逮捕されてはいない。
 故マリエーレ市議の父親、アントニオ・シウヴァ氏は、「事件の情報は、(被害者の父である)自分でさえも、マスコミ報道で知るだけ」と語り、捜査当局の秘密主義に苛立つ様子を打ち明けた。
 シウヴァ氏は、「捜査段階で情報統制が必要なのはわかる。でも少しは状況を伝えてほしい。当局が社会に何も伝えないならば、犯人たちに『大手を振って歩いてよい』と言っているのも同然だ」とも語った。
 犯行から3カ月間、遺族たちは、抗議集会などに参加し、マリエーレ氏を失った悲しみや怒りを表明し続ける事で、捜査の進展、真相究明を求める声を喚起し続けてきた。
 シウヴァ氏は、「90日間も経過しても、捜査には何の進展もないのだから、行動を続ける事が大切。マリエーレは亡くなり、もうしゃべれない。我々は娘を殺した犯人も、それを指示した黒幕も、何が理由で死ななければいけなかったのかさえも分からないんだ」とした。
 この事件は、国連人権局やEU議会、ローマ法王までも知るところとなり、アムネスティ・インターナショナル広報のレナタ・ネデル氏は、「事件がこれだけ大きく、世界規模出の反響を呼んでいるのは、マリエーレ市議が、何年も人権保護活動に熱心だったからだけではない。彼女はブラジル第2の都市で、得票数5位の市議だった事も世界が注目している理由の一つだ。それほどの人物が路上で殺害され、事件解決が進まない事は、ブラジルの統治機構の、人民の人権を守る意識、実効性が低い事にほかならず。諸外国はそれを憂慮している。同事件の進展は、ブラジル全体のイメージも左右する」と語っている。(14日付アジェンシア・ブラジルより)

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