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ジャパン・ハウス=新館長に元聖州文化長官=マルセロ氏「さらなる拡大を」=日系社会は重要なパートナー

来社したマルセロ新館長

来社したマルセロ新館長

 1日、ジャパン・ハウスの新館長に元聖州文化局長のマルセロ・マトア・アラウジョ氏(62)が正式に就任した。同館は開館から僅か15カ月で来館者延数が100万人を突破し、聖市でも屈指の文化施設となった。ただし、将来的な独立採算が課題とされている。今回就任したマルセロ氏には、長年に渡る文化領域での知見をもとに、持続的運営に向けた道筋をつけることが期待されている。

 今年6月に平田アンジェラ多美子前館長の電撃辞任して以来、事業主・電通が後任を探してきたが、1日にマルセロ氏が就任。同日、野口泰在聖総領事とともに挨拶のため本人が来社した。
 マルセロ氏は、国際博物館会議ブラジルメンバー(94~09年)、ラゼル・セガル美術館館長(98~02年)、聖州立美術館館長(02~12年)、聖州文化長官(12~16年)、伯博物館協会会長(16~18年)などを歴任。サンパウロ・ビエナーレ国際美術展審議会、サンパウロ美術館審議会のメンバーも務める。
 「現代日本を紹介する場という着想は、極めて重要なイニシアチブ。開館以来一年半に渡って見てきたが、立地、卓越した建築、質の高い展示と催しを初期段階から行っており、模範的な施設としての地位を確立した」と手放しで賞賛。「JH館長に就任し、次なる段階を迎える事業を担うことにやりがいを感じている」と話した。
 同氏は、94年に国際交流基金のフェローシップ招聘で3カ月間滞日経験があるほか、これまで務めた文化機関においても日本文化に関連する事業を手掛けてきた。08年の日伯交流年に聖州立美術館が文化庁と共催した「色彩の開花・江戸の工芸」展はその最たるもので、日本文化にも精通しているといわれる。
 課題とされる持続的運営については「日本政府の予算に加え、JH自身でも既に協賛や後援する企業を募っている。これまでの経験を活かし、JHをさらに拡大させ、持続的運営を目指したい」と話す。野口総領事も「まだ独立採算は難しいが、継続できることを願いたい」と政府予算に期待を示し、来年1~3月迄に予算が成立する見通しだ。
 最後に日系社会との関係については「JHは、伯社会全体に向けられた事業ではある。だが、JHは日系社会に立脚するものであり、この事業の発展のためには重要で特別なパートナーだ」との認識を示した。


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 ジャパン・ハウスの新館長マルセロ氏は同館の意義について、「今日の世界の技術革新において、日本は極めて重要な現代的な役割を果たしている。その力の源泉は日本文化そのものであり、伝統を革新と結びつけ新たな実現を果たすもの。それゆえにサンパウロにおいて、日本の現代的側面を知ることは重要だ」と強調した。一方で「より広範で多様な日本の現代的側面を追求し紹介するという目的は成功した一方、我々にとって大きな挑戦でもある」との認識も。ちなみにブラジル博物館協会会長だった経験に基づき、日本人観光客にお薦めの当地の博物館を訪ねると、即座に「サッカー博物館」「移民博物館」との返答が帰ってきた。いよいよロス、ロンドンのジャパン・ハウスも開館。最初に開館したサンパウロは、第2代館長の下で一足先に新しい段階に入るか。さっそく腕前を見せてほしいところ。

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