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新潟県人会50周年祝う=泉田知事ら慶祝団26人=中越大地震への〃見舞い〃で=母県側、コロニアに感謝

2006年11月22日付け

 ブラジル新潟県人会(南雲良治会長)は今年、創立五十周年を迎えた。記念式典が十九日、サンパウロ市リベルダーデ地区の宮城県人会会館で開催された。母県から泉田裕彦県知事、渡辺惇夫県議会議長ら慶祝団二十六人が駆けつけたほか、同会会員や各県人会の代表者なども三百人以上が集まり、盛大に挙行された。
 式典は鈴江レオナルドさん、永田アドリアナさんの司会で進行。柿嶋昭三同県人会副会長の開会の辞に続いて、日伯両国歌を斉唱。先没者へ一分間の黙祷を捧げた後、南雲会長があいさつした。
 会長は慶祝団や来賓に謝辞を述べた上で「県人会にこだわらず、日系社会と母県社会とのつながりを深め、実のある交流関係を築くために二、三世の皆さんと真剣に話しあう時期に来ていると思う」と語った。
 泉田県知事は、一昨年同県を襲った中越大震災の際に日系社会から受けた援助に感謝の意を示し「今後とも復興に全力にあたりたい」と決意。文協の日本移民史料館を訪れたエピソードも話し「今日の日系社会の繁栄は先人の苦労の末に成り立っていると実感した」とあいさつした。
 渡辺県議会議長も震災の復興に触れて「皆様方がふるさととして誇ることができる新潟県を築くために、今後とも熱い情熱と不屈の精神をもって全力で取り組んでいきたい」と語った。西林万寿夫サンパウロ総領事は、笠戸丸以前の同県の渡航者として、堀口九萬一(くまいち)がブラジル政府との間で移住契約の締結へと尽力したことを紹介。会場からは大きな関心が寄せられていた。
 このほか桜井新参議院議員や新潟県海外移住家族会副会長で南雲会長の兄である南雲良一慶祝団団長、上原幸啓文協会長や松尾治県連会長、アルゼンチン新潟県人会の山口義男会長らが祝辞を述べた。
 祝辞の後、高齢者及び功労者表彰が泉田県知事によってなされた。松村仁一郎さん、池泉三郎さん、若月一郎さんの三人が今年八十歳を迎えたのを記念して金盃が授与された。また表彰者を代表して西川忠雄さんが記念品を受け、原沢和夫さんが謝辞を述べた。
 続いて日系コロニア最高齢となる百八歳の浅見重平さんの表彰がおこなわれた。この日は体調不良のため式典に出席できなかったが、長女のフデさんが代わりに記念品を受け取った。
 この他にも文協、県連、援協の三団体へ同県人会から寄付金が贈呈されたほか、泉田知事、渡辺県議会議長、桜井参議院議員、南雲良一慶祝団団長にも南雲会長から記念品が贈られた。
 最後に二〇〇二年に県費留学生として母県で研修した諸橋アンドレアさんが小児療育センターでの体験を紹介。理学療法士として今後とも努力していきたいと決意を述べていた。
 この後、県人会の〃五十歳の誕生〃を祝い。ケーキカット。新潟産の日本酒「菊水」で乾杯した。
 昼食をはさみ午後からは記念のアトラクション。「佐渡おけさ」や「三条おけさ」を同県人会の踊り部が披露したほか、慶祝団を代表して南雲団長が自慢の声で新潟県民謡を熱唱。会場からは「よっこいしょー」と大きな声がきかれた。
 知事ら一行は二十日にサンパウロ州サントス市を訪れ、同日夜日本へ帰国した。

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