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リオ市国立博物館=米州大陸最古の人骨回収=再建への具体的な動きも

19日に公開されたルジアの化石と3Dによる復元模型、保管していた箱の一部(Leo Rodrigues/Agencia Brasil)

19日に公開されたルジアの化石と3Dによる復元模型、保管していた箱の一部(Leo Rodrigues/Agencia Brasil)

 9月2日に起きたリオ市の国立博物館の火災跡から、米州大陸最古の人骨の化石が回収されたと19、20日付現地紙、サイトが報じた。
 回収されたのは、1970年にミナス州で発見され、1万2千年前のものとされる人物の頭蓋骨と大たい骨の化石だ。頭蓋骨を基に復元され、肉付けされた頭部の模型と共に展示され、ルジアと命名された化石は、米州大陸での人の生態や集落形成に関する見解を大きく変え、国立博物館の所蔵物の中でも最も重要な物の一つとされていた。
 焼け跡の整理と所蔵物捜索を行っていた職員達は、ルジアの化石が保管されていた付近から、額や鼻、側頭部の化石と大たい骨の化石の破片などを回収。19日の会見では、頭部の化石はほぼ完全に回収出来、その約80%はどの部分のものかが特定出来たと報告された。各々の化石を組み立てる作業はこれからだ。
 博物館職員のクラウジア・ロドリゲス氏によると、火災による損傷は予想していたほどではなかったという。化石を保管していた金属製の箱の一部も回収されている。
 所蔵物の捜索、回収は来年2月まで続けられ、費用は900万レアルの見込みだ。これまでに、ルジア以外の所蔵物も何点か回収されている。
 同博物館職員やリオ連邦大学大学院生らは、国立技術院(INT)実験室の3Dプリンターを使い、ルジアを含む複数の所蔵物の実寸大模型再生も行っている。
 また、連邦遺産局(SPU)は17日、焼失した博物館本館に近いサンクリストヴァン区の土地4万9300平米を、研究・訪問センター建設用地として寄贈すると発表した。内、1万平米分はリオ地裁が使用する。アレッシャンドレ・ケルネル館長によると、施設再建は職員や研究者が使用する研究センターから始まり、その後に訪問センターとなる。同博物館は毎年、600校の生徒2万人の訪問・見学を受け付けていた。
 同館長は先週、リオ州選出の下院議員らと会って、議員割当金から博物館再建資金5千万レアルを拠出するよう要請。同館長は、これまでに要請した5600万レアルの資金は外装再建費で、博物館全体の再建には3億レアルかかるとの見解も明らかにしている。

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