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山形県人会=創立65周年盛大に祝う=吉村知事「県人移民は誇り」=海外技術研修員は交流の要

慶祝団と県人会役員らで行った記念撮影

慶祝団と県人会役員らで行った記念撮影

 1907年、笠戸丸移民に先駆けて当地へ渡った鈴木貞次郎氏を筆頭に、5826人もの山形県人が移民政策によって当地へ渡った。53年、会員同士の親睦と相互扶助を目的にブラジル山形県人会が設立され、当初91人だった会員は現在では400人以上に増加した。21日には県人会創立65周年記念式典をサンパウロ市で盛大に行うに至り、母県から慶祝に訪れた若松正俊副知事、小野幸作県議会副議長、寒河江浩二山形新聞社長ら31人の訪問団と総勢300人の県系人らは、先人の苦労を偲び、県人会のますますの発展を祈念した。

小野幸作県議会副議長

小野幸作県議会副議長

若松正俊副知事

若松正俊副知事

 式典では両国歌斉唱、先没者への黙祷を行った後、篠原会長が挨拶に立ち、鈴木貞次郎氏を筆頭とする県人の活躍振りを紹介。「先輩方の御努力のお陰で65周年を迎えることができた」と感謝を述べ、今後の更なる発展を誓った。
 来賓挨拶に立った若松副知事は、公務重複の為参加できなかった吉村美栄子県知事の祝辞を代読。吉村知事は県人移民の活躍に対し「大いに誇りに思う」と述べ、長年に渡って県人会活動を支えてきた会員らに「深く敬意を表します」と語った。また、県の海外技術研修員事業で対象33カ国中、ブラジルからの参加が最多の118人であることに触れ「本県との友好の懸け橋となることを御期待申し上げます」と話した。
 その後、小野幸作県議会副議長、寒河江社長、折原敬一山形県農業協同組合中央副会長、楠彰在聖首席領事、川合昭都道府県人会連合会副会長らが登壇し祝辞を述べ、山形県花笠協議会や天童市、パラグアイ山形県人会などからの祝電が披露された。
 県による功労者表彰も行われ、篠原会長ら8人に表彰状と記念品が贈られ、代表謝辞に立った田中武美理事(80、戸沢村)は「今後も発展に尽力しますので、ご協力お願いします」と述べた。

豊田氏の寄贈した版画4点

豊田氏の寄贈した版画4点

 記念品交換では県から天童市名産の将棋駒の置物「左馬」、山形市名物「平清水焼の壷」、平安時代から続く県の伝統工芸「山形鋳物の大黒様」、伝統舞踊花笠踊りに使用する「花笠」と「浴衣」等が贈られ、県人会からは同県出身の現代彫刻作家、豊田豊さん(80)による版画4点が贈られた。
 海外技術研修生を代表して奥山・リリアネ・さえみさん(26、三世)が登壇し、2017年に県立中央病院で行った研修の思い出を披露し、謝辞を述べた。
 県民歌を斉唱し、鈴木源治副会長が閉会の辞を述べて閉会。続いて記念祝賀会では渡辺史郎顧問が乾杯挨拶を行い、鏡割りやケーキカット、大石田町民謡使節団による民謡披露、花笠音頭の実演が行われ、県人らは親睦を深めた。
 参加した妻沼武男ロンドリーナ支部長(二世、66)は「とても良い式典だった。今後も母県との交流を活発にしていきたい」と感想を語った。妻沼さんは1974年に山形大学に留学した経験があり「とても良い経験をさせてくれた県への恩返しのため」に県人会活動に参加している。一世世代が高齢化し、後継者育成が課題となっている昨今、次世代にまで県人会を残す為には、「県の海外技術研修員事業は重要な要素となる」と語り今後も続いていくことを願った。

イビラプエラ公園の先没者慰霊碑を参拝した

イビラプエラ公園の先没者慰霊碑を参拝した


心からお祝い申し上げます=山形県知事 吉村美栄子

吉村知事

吉村知事

 ブラジル山形県人会が創立65周年を迎えられ、本日ここに、記念式典が盛大に開催されますことを、山形県民を代表いたしまして、心からお祝い申し上げます。
 本年はブラジル日本移民110周年の記念の年であります。異なる生活習慣や文化、言語といった壁を乗り越えてこられた先人たち、その意思を受け継ぎ、ブラジル社会において確固たる地位を築かれた皆様に対し、深く敬意を表します。また、最初の移民に先立つこと2年前にブラジルに渡り、「日本人移民の見本」と讃えられた鈴木貞次郎氏が本県大石田町出身であることは、山形県人として大いに誇りに思う次第であります。
 県人会は、1953年の創立以来、積極的に事業を展開されてこられました。文化活動や各種のイベントを通し、山形県の認知度向上、本県とブラジルとの友好親善の進展に多大なる貢献をいただいております。こうした取組みに対し感謝申し上げるとともに、これまでの御努力に深く敬意を表します。
 本県では1976年より海外の県人会などから将来を担う若者を受け入れ、専門分野の研修を行い、出身国の発展に貢献する人材を養成するとともに、県民との交流を通じた友好親善を図る海外技術研修員事業を実施しております。これまでに33か国から291名の研修員を受け入れてきましたが、ブラジルからは、その中で最多の118名を受け入れております。ブラジル内において、それぞれの職種でますます活躍され、本県とブラジルの友好の懸け橋となることを御期待申し上げます。
 県人会の皆様におかれましては、今後とも会員相互の連帯をさらに深められ、次世代を担う若い方々も含めて、ブラジルの発展に一層貢献されますとともに、本県とブラジルの友好のため、引き続き御尽力を賜りますようお願い申しあげます。


皆様のご協力のお陰=ブラジル山形県人会会長 篠原俊巳

篠原会長

篠原会長

 記念すべきブラジル日本移民110周年のこの年に、ブラジル山形県人会は創立65周年の節目を迎え、この度の記念式典には母県山形より若松正俊副知事を始めとする慶祝団の皆様にご臨席頂くことが出来ました。また、当地からは在聖総領事館、ブラジル都道府県人会連合会、日本文化福祉協会、サンパウロ日伯援護協会、サンタクルース病院代表者の皆様、会員ご家族の多数のご参加を得て、かくも盛大に式典を開催できましたこと心から感謝申し上げます。
 ブラジルにおける山形県人の移住の歴史は1908年6月18日の笠戸丸移民の前に始まりました。移民の草分けともいえる大石田町出身の鈴木貞次郎氏がブラジルに着いたのが1907年のこと。ペルーを経由し、3月にリオデジャネイロに着き、日系人としては初めてともいえるコーヒー園での労働者生活を体験しています。そして笠戸丸にはただ一人の県人、高桑治平氏が自由移民として乗っていました。このように山形県人は日本からの移住に深くかかわっております。
 1953年に山形出身者で同郷会として創立しましたのが、ブラジル山形県人会の始まりです。当時の会員数は91人でしたが、65周年を迎えた今日、会員数は400人ほどにもなりました。これも皆様のご協力のお陰であります。
 ブラジル山形県人会は今後も、県人会の発展並びに、母県文化の発信、日伯間の友好親善に励んで参りますので、お力添えよろしくお願い申し上げます。

サンパウロ市で「最上川さくら回廊」=山形新聞社がUSPに植樹

挨拶を行う寒河江社長

挨拶を行う寒河江社長

 山形新聞社(寒河江浩二社長)は、次世代の県民により強い愛郷心を持ってもらうため、山形を象徴する雄大な最上川に美しい桜回廊を作り出す植樹活動事業「最上川さくら回廊」を行っている。海外においては同事業の一環として、桜を山形との友好の証に植樹している。20日、ブラジル山形県人会の慶祝のため訪れた寒河江社長らは海外4例目となる桜の植樹をサンパウロ大学(USP)構内にて行った。 同事業は山形新聞の8大事業の1つで、1996年に始まった。これまでに県内全35市町村に約5千本の桜を植えてきた。2012年には山形と台湾の友好の証として台北に12本の植樹を行い、その後は中国江蘇省で6本、台湾宜蘭で7本の植樹を行った。
 植樹式には若松正俊副知事、寒河江浩二山形新聞社長ら慶祝訪問団一行と山形県人会、ブラジル・ニッポン移住者協会(杓田美代子会長)らが参加。移住者協会は日伯友好のため桜の植樹活動を行っており、今回の事業実現に協力した。

植樹の様子

植樹の様子

 植樹はUSP構内でも日当たりの良い体育部漕艇場にて行われ、山形新聞から6本、移住者協会から14本の計20本が植えられた。
 挨拶に立った寒河江社長は「日系人が多く暮すサンパウロ市。日伯両国の未来の懸け橋となる若い世代が集う大学で、桜の苗木がすくすくと育ち、この先も友好の花を咲かせ続けてくれることを期待しております」と述べ、一般慶祝団の一員として参加した阿部良一(70、尾花沢)、敬子(73、尾花沢)夫妻は「ブラジルと山形の友好の証として健やかに育って欲しい。五年後に子や孫を連れて花見に来ます」と顔を綻ばせた。

慶祝訪問団名簿  
山形県代表団  
副知事 若松正俊
県議会副議長 小野幸作
総務部秘書課課長補佐 古瀬隆志
議会事務局総務課調整主査 木村信洋
国際交流推進課国際交流室長 後藤崇文
国際交流室国際企画主査 鈴木正和
   
山形県農協中央会  
副会長 折原敬一
農協中央会 柿崎 隆
   
一般慶祝団  
山形新聞社代表取締役社長 寒河江浩二
長井市議会議長 渋谷佐輔
三浦板金製作所 代表取締役会長 三浦孝太郎
山形空港ビル 専務取締役 久利生道郎
元山形県職員 志藤彰
農業 田中順一
山形不動産サービス代表取締役 高野孝衛
あべ農園代表取締役 阿部良一
あべ農園 阿部敬子
あべ農園 石川千枝子
医療法人理事 清治ひさ子
ツルケン代表取締役 伊藤勇太郎
本間利雄設計事務所執行役主幹 佐々木英彦
山形銀行取締役営業企画部長 土門義浩
税理士法人あさひ会計代表取締役 柴田健一
山形放送取締役経営管理局長 北野良一
山形新聞社編集局報道部主任 鈴木悟
山形放送報道制作局報道部 渡部映治
山新観光株式会社 佐藤真美
   
大石田町民謡使節団  
大石田町教育長 布川元
教育長夫人 布川恵子
大石田町町議 芳賀清
芳賀清氏孫 五島日和
   
ブラジル山形県人会理事会  
顧問 豊田豊
  栗木那智男
  荒木克弥
  渡部史朗
  斉藤広
  斉藤フランシスコ
会長 篠原俊巳
第一副会長 佐藤マリオ
第二副会長 斉藤保
第三副会長 鈴木源治
第一会計 内谷敏
第二会計 塩野彰
第一書記 大江俊明
第二書記 岡谷公子
会員親睦部理事 鈴木啓三
副   〃 海藤司
文化及び芸術部理事 田中武美
副   〃 海藤司
福祉部理事 斉藤保
副   〃 佐藤マリオ
渉外理事 斎藤佳子
   〃 田中武美
スポーツ理事 奥山啓次
   〃 鈴木啓三
女子理事 寒河江まりえ
副   〃 塩野茂子
青年理事 佐藤司マリオ
副   〃 奥山さえみリリアネ
監査(正) 酒井まち子
  曽我部威
                    伊達幹
監査(補) 井上八郎
  依田茂子
                押切和代
事務局 古谷美枝子
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