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一緒に難問解決に取り組む=4団体で対策会議の開催へ=第1回福祉団体フォーラム

与儀会長

与儀会長

 サンパウロ日伯援護協会(与儀昭雄会長)は19日、「第1回日系社会福祉団体フォーラム(公開討論会)」をサンパウロ市の同協会ビル神内ホールにて開催した。日系社会で福祉活動をする援協、憩の園、子供の園、希望の家の4団体から関係者が96人参加。在聖総領事館から楠彰首席領事、JICAサンパウロから佐藤洋史次長も出席した。議題は「日本人移民とその子孫の高齢化問題について」。

意見討論会の様子

意見討論会の様子

 討論会に先立ち、サンパウロ州立大学の佐藤チュバッチ・ローザ・ユカ老年学教授ら有識者がブラジル、日本、当地日系社会の高齢化の現状について講演。その後、日系福祉4団体がそれぞれ現状報告を行った。討論会では各団体が抱える人材育成や運営資金問題に対して、4団体が協同して解決にあたるよう意見が相次ぎ、与儀会長は4団体による問題解決会議の開催を約束した。
 閉会挨拶に立った与儀会長は「皆さんのお陰で協力精神を強く刺激された。これからは協同会議を開いて4団体で共に学び、共に道を探していく」と語った。

憩の園、閉鎖危機を否定

 財政赤字が続く憩の園は3月の総会で、所有地の売却益でなんとか事業費を補填している現状が報告され、経営再建特別委員会を立ち上げる決議が行われ、注目を集めていた。
 フォーラム後、佐藤直理事長に「財政が悪化して閉鎖の危機が迫っているのでは」と質問すると、「決して余裕があるわけでは無いが、数年で潰れる様な状況ではない」と否定した。
 最盛期には800人からいた個人寄付者が現在ではほぼゼロとなるなど財政状況は芳しくないが、施設見学会を実施して二、三世世代に施設の重要性と寄付の必要性を訴えているという。
 また、所有地の売却に対しては「皆様に寄付頂いた各地に点在する土地を整理売却させて頂いたということ。施設本体の敷地の土地は絶対に売却いたしません」と説明。「閉鎖危機にあるわけではありませんが、財政が厳しいのは事実。入居者のため、日系社会の福祉向上のため励んで参りますので、皆さんの御協力をお願いします」と話した。


□関連コラム□大耳小耳

 援協福祉フォーラムの記事には《協同》という言葉が使われている。一般的に《共同》だが、どう違うのか。《協働》という言葉もあるが、どう違うのか。「違いがわかる事典」サイト(chigai-allguide.com)で調べてみると、《共同》は「力を合わせて行う」に加え、共同トイレや共同墓地という表現もある通り、「同じ条件や資格」という意味もある。記事にある《協同》は「共に心と力を合わせて物事を行う」という意味が強い。だから生産者と中間業者と消費者が力を合わせて生活改善を図る組織を「協同組合」というそう。最後の《協働》は「協同は役割分担が事前に決まっていることが多いのに対し、協働はそれぞれができること、得意分野をする場合に使われることが多い」とのこと。やっぱり日本語は難しい?!

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