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『ブラジルの日系人』第4版=原田氏編纂、約600頁の労作=懸賞論文1位にJHの栗田さん

式典の様子

式典の様子

 原田清弁護士の編著『ブラジルの日系人(O Nikkey no Brasil)第4版』(ポ語)の出版記念式典が、先月30日に文協貴賓室で催された。約100人の招待客が集まるなか、同弁護士が設立したブラジル日本移民110周年記念懸賞論文コンクール「日本移民の因果(Causas e Consequencias de Imigracao Japonesa no Brasil)」の結果発表も併せて行われ、15人の応募者の中からジャパン・ハウスに勤める栗田クラウジオ氏が栄誉に輝いた。

 同書は、移民百周年を祝って08年1月に第1版が刊行。今号では新たに6人の執筆者を迎え、ブラジル日本移民110周年の総括などを加えたもの。全17章、598頁に及ぶ労作だ。
 原田弁護士は式典で「今日は3倍に嬉しい日」と話し、出版とコンクール授賞式に加え、同日明け方に4人目の孫マヤさんが誕生したことを発表すると拍手に沸いた。刊行の経緯を説明した上、「内容の多様性に関らず、各章が互いに関連性を成しており、本全体として専門研究的な性格を帯びている」と説明。刊行に寄せて、来賓から祝辞が続いた。
 野村アウレリオ市議は、日本メルコスルEPA交渉の重要性に言及。「本がこの議論に光を当てることを期待するとともに、友好の誓いを新たにし、日メルコの文化経済関係を強化してゆくことになると確信している」と期待を寄せた。
 呉屋春美文協会長は「先人の苦難といった歴史的ルーツについての知見を広げ、それを想い起す必要性を強調するにあたって非常に重要な著作。移民の軌跡の様々な側面に焦点が当てられており参考文献となる」と称賛。楠彰在聖首席領事も「将来の世代にとって移民の軌跡を知る重要な手段となる」と称えた。
 その他、式典には原田弁護士の妻で弁護士のフェリシア氏、ウエダ・マサミ連邦高等裁判所(STJ)元判事、平野セイジ・サンパウロ大学名誉教授、オヤマ・シルビオ軍司法裁判所元長官らが出席。
 その後、懸賞論文コンクール授賞式に移り、ウエダ・マサミ審査委員長が講評。「甲乙付けがたく、選考に苦慮した」としながらも、全会一致で栗田氏が選ばれたと発表。その場では、平田アンジェラ元館長が代理で受賞し、その他参加者にもメダルが授与された。
 ジョルナル・ニッパク紙によれば、栗田氏は「日系社会からこれまでに与えられた機会に感謝を示したい」とし、賞金1万レアルの一部をブラジル日本移民史料館に寄付する意向を示した。
 参加したアレシャンドレ・カワセさんは「若者にとって移民史を勉強する機会になった。その過程において何が遺産として残されたのかを熟考させられた」とコンクールの意義を強調。エセル・ヨシナガさんも「次世代に生きた遺産を維持するため、若い我々は、二世と共にこれを継承していかなければならない」と襟を正した。
 なお、同書は一冊100レアルにて文協事務局で販売中。

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