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伯日移住者協会が解散=会員減少に歯止めかからず

最後の事業となった日本庭園修復

最後の事業となった日本庭園修復

 ブラジル・ニッポン移住者協会(杓田美代子会長)は、10月28日の臨時総会において、同会の解散を決定した。
 2003年に開催された戦後移住50周年記念式典の準備委員会を発展的に解散させた結果、同会は発足した。当時は、会員約800人を抱えたが会員減少に歯止めが係らず、現在会費を支払う会員は20人ほど。財政的問題も予想され、活動に終止符を打った。
 今年はブラジル日本移民110周年記念事業として、USP日本庭園修復事業を実施。ヴァルゼングランデのコチア青年有志による「棟門」を設置したほか、1年係りで修復作業を行い、6月29日に再贈呈式を行った。これが、同会最後の事業となった。
 この修復事業には杓田会長の寄付2万レを先頭に、小山昭朗さん1万レ、5千レ(中沢宏一さん、内山住勝さん、羽鳥慎一さん)ら個人43人、くわえて宮坂国人財団1万レ、コチア青年6千レなど4法人が浄財を寄せ、計9万2070レが集まった。改修にかかった諸経費はこれでまかなった。
 杓田会長は「通常会計は赤字にならずに解散できた。今後も、USP構内の日本庭園と各所に植えた桜は継続して手入れする必要がある。有志を募って、日系社会の遺産の一つとして大切に守っていきたい」と話し、管理を続けたい意向だという。

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