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《ブラジル・マナウス》囚人の死者55人に達する=四つの刑務所で大量虐殺事件発生

事件を報じるニュースサイトより

事件を報じるニュースサイトより

 【既報関連】アマゾナス州州都マナウス市北部のアニージオ・ジョビン複合刑務所(Compaj)で26日、収容者同士の喧嘩が暴動に発展して15人が死亡したのに続き、翌27日も同じ刑務所と別の3カ所の刑務所で殺戮が発生して囚人40人が死亡。合計55人が亡くなったと、27、28日付現地各紙・サイトが報じた。

 27日に遺体が発見されたのは、Compajと暫定収容センター(CDPM1)、アントニオ・トリンダージ収容所(Ipat)、さらにこれらの三つからは離れている、市内東部のプラケクアラ刑務所(UPP)だ。27日には、Compajで4人、 CDPM1で5人、UPPで6人、Ipatで25人の遺体が回収された。
 アマゾナス州では、犯罪組織ファミリア・ド・ノルテ(FDN)と、サンパウロ州を本拠とする州都第一コマンド(PCC)が抗争を繰り広げてきた経緯がある。両者の対立は、2017年1月の4刑務所での暴動や囚人の大量死(Compajで56人、UPPでも4人)などに繋がった。
 PCCは17年以降、同州内での勢いを失い、FDNが州内での実権を握ったが、今度はFDN内で分裂騒動が起き、死者も出る抗争となった。
 現地紙は、「暴動の主要因はFDN幹部のゼ・ロベルト・ダ・コンペンサとジョアン・ブランコの権力争い」と報じた。捜査当局も同様の見方だ。両者は現在、連邦刑務所に入れられている。
 27日にも新たな死者が出たことで、囚人たちの家族は刑務所近くに集まり、正確な情報が出されていないこと、また、刑務所内の安全性が確保されていないことに対する抗議行動を行った。
 アマゾナス州政府は事件後、州内全ての刑務所の安全対策を強化した。同州の刑務所管理局は、「状況はコントロールされている」と発表した。
 28日には「首謀者9人を特定した。全員今週中に連邦刑務所へ送られる」とも発表した。
 55人の遺体の検視は地元の法医学研究所(IML)が行っており、28日昼までに、26日に死亡した15人と、27日に死亡が確認された40人中1人の、合わせて16人分の遺体が遺族に引き渡された。全員の検視は1週間以内に終わる見込みだ。
 法務省は27日に、同州からの要請を待って刑務所介入特別タスクチーム(FTIP)を送ることと、FDNリーダーらの連邦刑務所への移送を認めると発表した。アマゾナス州政府も28日に、連邦政府に対して刑務所介入チームの派遣と同州での活動を正式に要請したと発表した。タスクチームは28日に20人、週末までに80人の合計100人規模となる予定だ。
 これらの人員は刑務所内外の警備と共に、2017年から州内で活動している国家治安部隊(FN)のサポートも行う。

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