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熟連芸能祭=日本で知られていない名曲披露=中村八大がコロニアのために作曲

右から来社した鈴木正威さん、足立弘子さん

 「坂本九の『上を向いて歩こう』を作曲したはっちゃん(中村八大)がコロニアに作った歌を、熟連芸能祭で復活させるんだ」――サンパウロ人文科学研究所顧問の鈴木正威さんは今月19日に来社し、熱心な口ぶりで楽譜や当時の新聞を見せながら語った。
 中村八大は『上を向いて歩こう』、『明日があるさ』など、50年代末から60年代にかけて数々のヒット曲を生み出した日本の作曲家。鈴木さんとは満州の青島時代に小学校の同級生だった間柄。当時日本語普及会(現ブラジル日本語センター)で事務局長を務めていた鈴木さんに頼まれ、コロニアで募集し選ばれた詩に曲を付けた。それが独唱歌「ブラジルの歌(徳満悦子作詩)」と合唱歌「幸せがいっぱい(会田尚一作詩)」だ。

来伯した幼い頃からの友人である中村八大(右)と鈴木正威さん

 67年にリオ市での国際ポピュラー音楽祭に参加した中村八大は、その足で来聖し、シネ・ニッポン(現愛知県人会)で開催された日本語普及会主催の「ホームソング発表会」に出演して、大盛況を収めた。その様子は11月1日付のパウリスタ新聞に、「響く“幸せ”の歌声 ミエ、八大らが熱演 昨夜ホームソングの発表会」との見出しで報じられている。
 さらに、翌2日には「八大が友情出演 成功だった發表會」という見出しに、中村八大が自ら日本語学校生徒の合唱団の指揮をとった写真が載っている。同発表会の後は情操教育の一環として、日本語学校の音楽教室や絵画教室で歌われていた。一度は文協大講堂で行われた合唱コンクールでも発表されたが、いつの間にか忘れられた存在になっていた。

空港で中村八大(左)と一行を迎えた鈴木正威さん(左から二番目)

 当時の楽譜の原本は、鈴木さんから移民史料館に寄贈された。その後、昨年の110周年でも歌うことを鈴木さんが提案したが実現しなかった。
 そこで早稲田大学のOB会である「稲門会」に話したところ、ブラジル熟年クラブ連合会でコーラスを指導する足立弘子さんが引き受け、今月28日に静岡県人会会館で開催される熟連芸能祭で「幸せがいっぱい」を歌う運びとなった。また、「ブラジルの歌」の披露も検討している。
 鈴木さんと共に来社した足立さんは、この曲について「明るい調子で前向きな歌」との印象を語る。また、当日は中村八大の名曲『遠くへ行きたい』も披露する。
 鈴木さんは「日本で知られていない中村八大の名曲。ぜひ大勢の人に聞きに来てほしい」と呼びかけている。なお、合唱団の発表は午前11時すぎに行われる予定。


□関連コラム□大耳小耳

 中村八大が作曲した「ブラジルの歌」の作詩者について話していたところ、足立弘子さんが「熟連にいますよ」と語った。ぜひ本人に歌ってほしいところだが、「独唱歌のため難しい」との返答が。ちなみに当日は、現在駐在員の妻としてサンパウロに滞在している中村八大の娘も来場予定だとか。さらに感動的な公演となりそう。何とか「ブラジルの歌」を歌ってもらうことはできないか!?

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