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在聖総領事館=令和元年春の叙勲を伝達=公邸で7氏が受勲=文協で200人が盛大に祝宴

公邸で受章者らが記念撮影(前列左から岡野さん、野口総領事、和田さん、後列左から与儀さん、木下さん、安武さん、堀井さん、安永さん)

 在聖日本国総領事館(野口泰総領事)は「令和元年春の叙勲伝達・祝賀式」を25日午後、総領事公邸にて執り行った。親族や日系団体の関係者ら約80人が出席し、在聖総領事館管内7氏の受勲を祝福した。全伯では19人が受章している。

 野口総領事は「皆さんがここに至るまでには、言葉に表せない程の幾多の困難や苦労があったと思う。並々ならぬ努力や誠実な姿は、日系社会の手本として誰もが認めるもの」と受章者らに祝意を表した。
 総領事は受章者の功績を紹介し、勲記と勲章を授与した。受章者は挨拶の中で、各々の苦労や来歴を振り返るとともに、親族や関係者への感謝の言葉を述べた。
 受勲した堀井文夫さんは、「受章は身に余る名誉。でもまだ完成していない事業もあるので、見届けたい」と今後の活動への意欲を見せた。堀井さんはモジ・ダス・クルーゼス文化協会副理事長を務め、モジ秋祭りの中心的存在として活躍。サンパウロ日伯援護協会の理事も務め、福祉施設の品質向上や財政安定化に貢献。カオリン鉱脈を掘り当て鉱業を興し、不動産賃貸業なども手がけている。
 アルモニア学園理事長の和田忠義さんは、「受章できて本当にありがたい気持ち。今後も生徒を通じてブラジルに日本の良さを伝えられたら」と話し、関係者らの写真撮影に応じた。長年にわたりアルモニア学園の責任者を無償で務め、日本語・文化の普及に尽力している。
 安武誠さんは「受勲の連絡があった時は『まさか私が』と思った。私一人では何もできない。周りの方々がいて初めて行動できる」と謙遜した。安武さんはアルジャー市で花卉栽培に取り組み、同地の文化協会会長を務めた。援協のあけぼのホーム経営委員長としても、入居者の環境整備に尽力した。
 石井千秋さんがブラジル柔道界初の五輪メダルを獲得した際のブラジル代表監督として多大な貢献を果たした岡野脩平さんも受勲。体調がすぐれない本人に代わって、ブラジル講道館柔道有段者会の関根隆範会長が挨拶を代読した。「ブラジルへの柔道普及には戦前戦後の日本政府による柔道使節団の派遣、日系社会の人々の努力があったことを忘れてはならない。柔道普及は日伯の絆そのもの。各地の指導者に感謝を伝えたい」とし、岡野さんも立ち上がって頭を下げた。

文協の多目的ホールには200人以上が集まって祝宴を開いた(Aldo Shiguti)

 同日夜には、ブラジル日本文化福祉協会の多目的ホールに200人以上が集まって盛大に祝賀会が開催された。
 在聖総領事館管内の受章者7氏は次の通り(敬称略)。
 【邦人叙勲】堀井文夫(85)=旭日双光章、安武誠(81)=旭日双光章、岡野脩平(81)=旭日単光章
 【外国人叙勲】和田忠義(86、二世)=旭日小綬章、与儀上原昭雄(75、二世)=旭日小綬章、安永信一(71、三世)=旭日双光章、木下ジョルジ(81、二世)=旭日双光章

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