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城間和枝琉舞道場創立25周年=700人来場、立見客が続出=沖縄から2会主がお祝いに

出演者らが集合し記念撮影

 「皆で沖縄を忘れずに、これからも琉球舞踊を踊りついでいきたい」――大盛況の公演後、興奮冷めやらぬ様子で玉城流玉扇会城間和枝琉舞道場の代表・城間和枝氏(80、大宜味村)が語った。今月21日午後2時から「道場創立25周年並びに第4回発表会(玉城流玉扇会ブラジル支部創立35周年)」(上原テリオ実行委員長)が沖縄県人会本部大サロンで開催された。母県からも2人の会主がお祝いに駆けつけ、700人以上が来場して立見客も出るほど会場が埋め尽くされた。

生徒より花束贈呈を受けた城間和枝氏

 同発表会では、3~93歳までの約100人の門下生が出演。さらに沖縄県から玉城流玉扇希友会(きゆうのかい)の金城順子会主と、玉城流玉扇生咲会(きさきのかい)の仲村加代子会主が今月10日から特別に来伯し、本番まで同道場で稽古を重ねていた。
 式典では玉城流玉扇会三代目家元の玉城盛義氏の祝辞を金城会主が代読した。玉城氏は「ボリビアからブラジルに移住した当時は日夜慣れない仕事に従事しながら、琉球舞踊を修行しウチナーンチュのアイデンティティや沖縄の伝統芸能の奥深さを再認識したと聞いている」と城間氏の苦難の人生に言及。

上原テリオ実行委員長より感謝状を受け取る金城順子会主

 「次の世代に継承していく決意を表現するべく本日の舞台を迎えたことに感無量でございます」とその功績を讃えた。
 城間氏は、同発表会が開催できることに謝辞を述べ「これから育つ若い子供たちは、沖縄(ウチナー)グチも知らないけれど、琉球舞踊に誇りを持ち、次世代の後継者として育成に励む生徒達が生まれれば」と今後への期待感を語った。

上原実行委員長より感謝状を受け取る仲村加代子会主

 三代目家元の玉城氏、金城会主、仲村会主の3人へ感謝状が贈呈され、会場の熱気が高まったところでドン、ドンと太鼓が鳴り響いた。幕が開くと城間氏の歴史をまとめたビデオが流れ、興味深そうに観客は見入った。
 発表会は、城間氏と若手教師らによる「かぎやで風(かじゃでふう)」で開幕。頭に亀の飾りを付けて踊る「鶴亀」、可愛らしい子供達による「童馬小(わらびうまぐあ)」では、普段はポ語を話す子供もウチナーグチで台詞や歌詞を披露し、観客から歓声と応援の声が上がった。
 見せ場の一つは、金城会主と仲村会主による「打ち組加那ヨー」と「月下の戯れ」。「男女の踊りをよく踊る」という両氏は若い男女の恋をしっとりと演じ、観客は見事な舞に魅入った。

第二家元の玉城秀子先生から踊ることを許された「本花風」

 城間氏は、第二家元の玉城秀子先生から踊ることを許された「本花風」で貫禄のある踊りを披露。生徒の比嘉ミエコさんと踊った「うちくみ日傘」、高齢者全員と踊った「沖縄音頭」「めんそれ沖縄」でも軽やかな足さばきで生徒らを引っ張った。最高齢の城間シズさん(93)も含め、全員が笑顔で踊りきった。

最高齢93歳で花束を贈呈された城間シズさん

 最後は、城間氏をはじめ金城会主、仲村会主、88歳以上の城間さん、高良キヨさん(90)、平良米子さん(90)、上原しずえさん(88)、仲宗根菊さん(88)ら5人、6歳以下の子供達5人に花束が贈呈された。
 終演後、城間氏は「10年分の稽古の成果を出し切りました。生徒たちはよく頑張ってくれた」と笑顔で取材に応じた。さらに「皆に舞台に出て楽しさを知ってもらい、琉球舞踊を継承するのが私の役割。そのためにもっと生徒を育てたい」と今後の意気込みを語った。

8歳以下の5人の子供たちも表彰された


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 城間和枝琉舞道場の創立25周年を祝いに沖縄県から駆けつけた金城順子さんは、本番まで生徒たちに稽古をつけた。金城会主は「和枝先生は踊りを通して礼儀なども教えている。ボリビアで苦労した後、ここまで頑張った先生に感動した」と称賛した。また、仲村加代子さんは「沖縄県では80歳以上で踊っている人はいない。稽古をしていて、反対に学ぶことばかりでした」とブラジルのウチナーンチュの活気に感心した様子だった。
    ◎
 城間和枝琉舞道場の発表会を観に来た島袋勝子さん(74、浦添市)は「城間先生の息子とうちの娘が夫婦で、孫が舞台に出たの。とっても良かった!」と声を弾ませた。自身も琉球舞踊が好きで、「見ると若くなる気がする」と微笑む。沖縄県から来伯した2人の踊りには「沖縄の先生はやっぱりどこか違う。最高でした。また是非来てほしい」と喜んだ。

会場一体となったカチャーシー

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