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サンパウロ州の麻疹患者1週間で5割増=保健省がワクチン調達に奔走

 サンパウロ州保健局の集計によると、7月31日現在の麻疹(はしか)患者は967人になり、1週間で53%増えた。これを受け、保健省は、流行地域へ旅行する人は15日前に予防接種を受けるよう勧告。予防接種ワクチンを国外から調達する準備も始めた、と7日付現地紙が報じた。
 サンパウロ州での麻疹流行は止まるところを知らない。特にサンパウロ市では、484人だった患者が1週間で61%も増え、778人になった。サントス市の患者は23人で動きがないが、グアルーリョス市22人、サントアンドレ市21人など、サンパウロ大都市圏で患者増加が続いている。
 だが、6月10日~8月16日の予防接種キャンペーンへの反応は相変わらず鈍く、15~29歳の対象者440万人の内、予防接種を受けた人は90万2200人のみだ。また、通常は生後12カ月と15カ月で行う3種混合の予防接種を、6カ月以上、1歳未満の子供にも実施する。サンパウロ市の場合、青少年向け予防接種は23・5%、子供向けの予防接種は15%が実施済みだという。
 サンパウロ州での予防接種はサンパウロ大都市圏に限られているが、保健省は、感染リスクの高い地域に旅行する人は、1歳未満の子供も含め、予防接種を受けるよう勧告している。
 保健省がいう感染リスクの高い地域は、サンパウロ大都市圏を中心とするサンパウロ州37市とリオ州、バイア州、パラー州となっている。ただし、後者の3州での新たな患者発生は止まったようだ。
 なお、予防接種ワクチンの在庫が少なくなってきたため、保健省は、既に協力を申し出ている汎米保健機構など、国外諸機関を通してワクチンを調達する準備を始めた。

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