ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》ボウソナロの暴言にピニェラ大統領まで不快感=南米での味方のはずが=アルゼンチン・パラグアイにもすでに火種=国際的に対立国が増加中

《ブラジル》ボウソナロの暴言にピニェラ大統領まで不快感=南米での味方のはずが=アルゼンチン・パラグアイにもすでに火種=国際的に対立国が増加中

チリのピニェラ大統領(Kobi Gideon/GPO)

 【既報関連】ボウソナロ大統領が4日の朝、ミチェレ・バチェレ元チリ大統領の父親が1973年の軍事クーデターでピノチェト将軍(後の独裁的大統領)によって逮捕、処刑された件に言及したことに対して、チリ国内ではセバスチアン・ピニェラ大統領を筆頭に強い反発の声があがり、ボウソナロ大統領の南米での外交関係が危惧されている。5日付け現地紙が報じている。

 ピニェラ大統領は4日午後、ボウソナロ大統領の発言に対し、「わが国の70、80年代の歴史の解釈は自由ではある」としながらも、「だが、それは敬意をもって行うべきだ」とし、「ましてや、父親がその犠牲者であるようなことがあればなおさらだ」とした。
 バチェレ元大統領の父のアルベルト氏は、ピノチェト氏が打倒したアジェンデ社会主義政権に仕えた空軍将軍で、逮捕後に拷問を受け、処刑された。だが、ボウソナロ氏は、一連の行為が「チリをキューバのような国にすることから救った」とし、ピノチェト氏を礼賛した。
 ピニェラ氏はチリ国内ではバチェレ氏と対立する保守派政治家で、南米においてはボウソナロ氏の保守路線の強い味方と目されていたが、同氏は今回の声明で、「バチェレ氏に関する件での見方は私のものとは違う」「私は常に、民主主義と自由と人権に敬意を払うと約束してきた」と、ピノチェト氏礼賛に否定的な姿勢を示した。
 また、テオドロ・リベラ外相も、「バチェレ氏はわが国の民主化に大きな役割を果たしてきた」と反論。ピニェラ氏が所属する独立民主連合のイッサ・コルト下議も、「攻撃ではなく、対話を求めるべきだ」と批判した。
 さらに、バチェレ氏の社会主義者党の重鎮、フアン・ガブリエル・ヴァルデス氏は、「バチェレ氏の父親に対する発言は痛々しく、惨めだ」と発言。この日のチリでは「惨めなボウソナロ」という言葉がツイッターで最も使われ、それはブラジルにも及んだ。
 ボウソナロ氏を取り巻く状況は複雑だ。アルゼンチンでは、これまで味方だったマウリシオ・マクリ大統領が10月の大統領選での敗色が濃厚になり、勝利しそうなアルベルト・フェルナンデス氏との対立が避けられないと見られている。
 さらに、パラグアイでは、両国が共同で経営するイタイプ・ダムの電力利用契約で同国が不利になった際、交渉の席にボウソナロ氏が所属する社会自由党(PSL)の政治家が参加していたことが取り沙汰され、不正疑惑がささやかれていることによる火種も生まれている。また、ベネズエラのマドゥーロ左派独裁政権とは敵対関係にある。
 また、環境問題をめぐり、フランス、カナダ、ドイツ、ノルウェー、フィンランドと対立。イスラエル支持発言では、中東のアラブ諸国との関係も危うくしている。

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