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《ブラジル》遂に南東部にも原油塊漂着=ウミガメの繁殖にも影響か

4年前の鉱滓ダム決壊事故に続く環境破壊の影響を危惧するリニャーレス市の漁師達(Tânia Rêgo/Agência Brasil)

 【既報関連】8月30日に北東部で始まった原油漂着が南東部のエスピリトサント州にも及び、ウミガメが産卵する海岸でも原油塊確認と8~11日付現地紙、サイトが報じた。
 エスピリトサント州での原油塊確認は7日のサンマテウス市グリリ海岸が最初で、8日に正式に漂着が発表された。原油流出源は未確定で、流出した原油の量も不明なため、海軍関係者でさえ、原油漂着がいつまで続くか、最終的な漂着量がどの位になるのかを明言出来ずにいる。
 同州海岸での原油塊確認は8~10日も続き、10日にはグリリ海岸から約85キロのリニャーレス市ポンタル・ド・イピランガ海岸にも到達した。この海岸は、絶滅が危惧されるウミガメの観察や繁殖、保護のための「タマール・プロジェクト」の拠点の一つで、州都のヴィトリア市までは約170キロだ。
 ポンタル・ド・イピランガには、リニャーレス市内にあるドッセ川河口部からサンマテウス市までの海岸線約43キロで確認された約200のウミガメの産卵場所を観察し、保護する基地が設けられている。この基地が観察、保護している区域で孵化するウミガメは年間2千匹に及ぶ。この基地は1991年に創設され、バーラ・セッカ、ポヴォアサンといった海岸などをくまなく観察している。
 海軍によると、7日にグリリ海岸に漂着した原油塊は、北東部9州の海岸やマングローブの林、河口部、海洋部で回収された原油と同質だ。
 原油漂着地域には、海軍兵60人と国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)の職員15人が派遣され、原油塊の回収に当たっている。現在漂着している原油塊は3~4センチの小さなものだが、親ガメの体についた原油塊が卵と共に砂の中に埋められたり、孵化後の子ガメが海に戻ろうとする時に原油塊に触れて汚染されたりする可能性がある。
 ウミガメの繁殖期は来年3月頃まで続くが、リニャーレス市では15年11月にもミナス州マリアナ市での鉱滓ダム決壊事故で汚泥交じりの水が流れ込んだ事による被害を被っており、多くの人が新たな環境破壊の影響に直面している。
 原油漂着域は10日現在で、10州466カ所に拡大している。
 なお、海洋での異変を察知したのか、普段は産卵が見られない、リオ市バーラ・ダ・チジュッカ海岸でもウミガメが産卵し、周辺を柵で囲う措置がとられている。

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