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どうなる沖縄コミュニティの将来?=首里城再建募金運動の現場から(4)=若き沖縄研究者の卵たち

USP沖縄研究グループ(GEoki)の皆さん

 佐藤有里(ゆり)ルシアーネさんの家族は他県出身であり、友達の影響で沖縄に興味を持つようになった。本などで沖縄は観光地であり綺麗な場所だという知識は得ていたが、サンパウロ総合大学(USP)の沖縄研究グループ(GEoki)に入り、研究するようになってから戦争や差別のような暗い歴史もあることを知った。佐藤さんは平日仕事をしながらUSPの文学部学生として、GEokiに所属して研究をしている。

 GEoki代表のアナ・カロリナ・ワリゴダ・ゲデスさん(21、三世)によると、グループは故森幸一教授の監督で、2018年に創立した。現在のメンバーはUSP学生の非日系、日系、沖縄系日系の7人。主に沖縄の歴史、文化、ブラジル沖縄系移民を中心に知識を深めつつ、研究している。このテーマに関するグループ研究を行っているのは、ブラジルで唯一だという。

 佐藤さんに今後の沖縄コミュニティに期待することを聞くと、「日系の若者は、完全なブラジル人でも日本人でもウチナーンチュでもない。だからこそ、異なる国同士の繋がりを深めることができる。例えば食や普段の生活にも良い影響を及ぼす。現代は技術の発展により交流が容易になったが、あと何年、日系社会の中で私達の先祖が残してくれた文化や伝統が受継がれていくかはわからないし、難しいように感じる」と語った。

 今後の沖縄コミュニティに期待することとしては、「沖縄には暗い歴史があることを知ったが、その歴史を振り返るだけでなく、今後は新しい時代を知る今の世代による、新しく、明るい歴史で塗り替えられたら良いと思う」と述べた。

 佐藤さんは今年3月から1年間、千葉県の神田外語大学に留学予定だ。「首里城はもう見られないが、絶対に沖縄と奄美諸島には立ち寄るつもり」。今後もGEokiの活動を継続し、沖縄文学の研究とそのポルトガル語訳を行なっていく予定だ。

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沖縄県人会の皆さん。(左から)岩谷賢司事務局長、宮城あきらさん、垣花輝明(かきのはなきめい)さん、上原ミルトン定雄会長

 最後に沖縄県人会の上原会長に、2月の募金締め切りまでの義援金運動の予定についての尋ねると、「13日の時点で14万レアルになっていた。義援金集めのイベントを再度行なっていくつもり。近いうちの会議で細かいことは決めていく」とまだまだ義援金を集める方針だ。

 若者が中心になって義援金を集める行為には母県への強い愛情、絆の意識が込められている。額の多い少ないに関わらず、母県のために海外子孫が力を合わせること自体が尊いことに違いない。(終わり、宮城ユカリ記者)

 【首里城再建寄付金】2月10日まで受付中。振込先は以下の通り。《Associacao Okinawa Kenjin do Brasil, CNPJ 62.270.434/0001-69, Banco do Brasil, Agencia 1196-7   C/C   46.457-0》。問合わせは沖縄県人会(11・3106・8823)まで。

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