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司法界要職に日系女性初就任=連邦控訴裁第3管区の副長官に=PUC教授の吉田コンスエロさん

就任の宣言をする吉田さん

 連邦控訴裁判所第3管区(TRF da 3ª Região)の副長官に、日系女性として初めて吉田コンスエロさん(三世)が2日、就任した。吉田さんは2002年に日系女性として初めて連邦判事になった才媛。ブラジル全土の5管区内で最も判事数と裁判件数が多い第3管区(サンパウロ州とマットグロッソ・ド・スル州管轄)では、2日晩にマイラン・マイア長官、吉田副長官、査問官(Corregedoria)のマリザ・サントス氏ら3人の就任式がサンパウロ市セントロのサーラ・サンパウロで開催され、最高裁判事が3人、サンパウロ州のロドリゴ・ガルシア副知事、マラニョン州のフラヴィオ・ジーノ州知事ら多くの連邦レベルの来賓を含め、約1千人が出席した。任期は2年間。

 吉田さんは、諸見里ジョゼさんと諸見里安田デルフィーナさんを両親に持ち、サンパウロ州イガラパーヴァ市で生まれた三世。76年にPUCサンパウロ法学部を卒業した。
 盛大な就任式の閉幕後、取材に応じた吉田さんは、「私が法学部に入った頃、日系学生はとても少なかった。この世界の大半はUSP法学部卒の白人男性。私は女性であること、日系人であること、PUC卒であることなど、多くの壁を乗り越えてここまで来た。人権、医学、環境など多くを学びながらようやくたどり着いた。もっともっと日系社会から法律家を目指す若者に出てほしい」と語った。
 渡部和夫元サンパウロ州控訴裁判事は、「過去に日系男性で管区副長官はいた。でも日系女性では初めて。ブラジルで一番裁判件数が多く、多種多様な裁判が起きるこの管区で、責任ある役職に日系人が就いたことは、日系社会として誇るべきこと。彼女は元々は連邦検事。検事や弁護士から裁判官に転身する枠が2割ほど用意されているが、とても難しい。彼女はそれを通ってきた秀才。PUCで環境保護関係の集団訴訟を専門とする民事訴訟の教授をしている。とても優秀な法律家だ」と紹介した。
 友人の平田アンジェラさんも「ブラジルには壁がない。だから彼女のように優秀な人は、国の重要な役職を任される。日系女性として誇り」と語った。

連邦レベルの来賓も多く来たサーラ・サンパウロでの就任式の様子

 就任式では最初に前任のテレジーニャ・カゼルタ長官が、任期中にコンピューター機器類の刷新などに務め、デジタル化を進め、経費削減に尽力した自らの業績を振り返り、「裁判所運営のさらなる効率化に期待する」とのべた。
 続いて3人の署名式が行われ、マイア新長官が就任演説をし、「セアラーからサンパウロに出てきて、こんな日が訪れるとは思ってもみなかった」と感慨深げに語り始め、「387人の判事、約6千人の職員をまとめ上げ、多文化な特色を持つサンパウロにおいて、最も裁判件数が多く、案件も複雑な裁判が円滑に行われるべく全力を尽くす」と抱負を述べた。


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 連邦裁判所の審級には3段階ある。一審を担当する連邦裁判所(Justiça Federal)、二審を担当する連邦控訴裁判所(TFR、Tribunal Federal Regional)、一番上のはずの連邦高等裁判所(STJ、Superior Tribunal de Justiça)の順番。ただし、実際には最高裁(STF)にまで持ち込まれる案件があり、世界でも稀な「事実上の四審制」と指摘する専門家もいる。査問官(Corregedoria)は裁判官の判断や行動に問題がないかを査問・審査する監査部門のこと。ブラジル全体の連邦司法制度の中でも指折りの重要な役職に、初めて日系女性が就任したことは素晴らしい朗報といえそうだ。

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