ブラジル連邦政府は19日夜、日本人旅行者などを含めた外国人航空旅客のブラジル入国を23日(月)から制限すると発表した。コロナウイルス拡散対策のために、当面30日間の入国が制限される。19日付フォーリャ電子版、同グローボ電子版などが報じた。
入国制限が適用されるのはEU、中国、日本、オーストラリア、アイスランド、ノルウエー、スイス、英国、北アイルランド、マレーシア、韓国からの航空機による入国者だ。
制限処置から除外されるのは、ブラジル国内での居住許可がすでに出ている外国人、国際衛生ミッションに従事する外国人専門家、ブラジル連邦政府による許可のある外国人職員、家族呼び寄せやブラジル人の子孫に相当する人、連邦政府の許可を持つ公共利益に関するビザを持つ外国人、国家移住登録(RMN)を持つ外国人移民など。
なお、貨物は通常通り出入りできる。
これに伴い、日本人観光客だけでなく、多くの駐在員の移動も制限されることになる。
ブラジル日本商工会議所の平田藤義事務局長は、あくまで個人的な意見と前置きしながら、「むしろブラジル政府の処置はおそすぎたと思う。アメリカなどはとっくに入国制限をしていた。初動対策の遅れは致命的な結果をもたらすこともあり得る。すでにコロナウイルス危機は株価大暴落や過剰なドル高などの深刻な悪影響をブラジル経済に与えている。本当に残念な展開になってしまっている。日本と同じ様なタイミングで移動制限などをしていれば、だいぶ結果は違っていたはず。政府関係者は今回のことを教訓にしてほしい。でないと、これから負の連鎖が始まってしまう」と強く警告した。
同商工会議所も昨今の状況に鑑み、23日から2週間を目処に、在宅勤務の体制に入るという。