ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》新保健相にタイシ氏就任=急激な対策変更はしない=保健の運営経験ない医師=マンデッタ解任で議会は激怒

《ブラジル》新保健相にタイシ氏就任=急激な対策変更はしない=保健の運営経験ない医師=マンデッタ解任で議会は激怒

16日の会見でのタイシ氏(Marcelo Casal Jr./Agencia Brasil)

 ボウソナロ大統領は16日、ルイス・エンリケ・マンデッタ保健相を解任し、後任にネウソン・タイシ氏を指名した。タイシ氏は隔離支持派の医師で、指名後の会見でも「急激な対策変更は行わない」と語った。だが、指名直後には早くも同氏に関する不安要素がささやかれ、マンデッタ氏解任を強く批判した連邦議会との間に、緊迫した空気が流れている。16、17日付現地紙、サイトが報じている。

 マンデッタ氏によるコロナ対策は国民の76%が支持していたが、隔離策に関する考え方に相違があり、グローボTV局の人気番組で大統領を批判する発言をしたことが決定打となり、ボウソナロ大統領は16日夕刻に会見を開き、保健相解任を発表。17日朝には、就任式も行った。
 解任発表の会見には後任に指名されたタイシ氏も出席しており、記者団からの質問も受けた。
 大統領はこの会見で「ネウソン医師と話し、段階的に経済活動を戻していくことで、意見がまとまった。いざ職場に戻っても職がない、ということではいけない」と語った。
 また、タイシ氏は「現在行われている隔離政策を急激に変えたりはしない」としながらも、「ただ、より詳細な情報を基に、今後、どうしていくかを決めていきたい」と語った。

 メディアが報じているところによると、タイシ氏は「危険な状況の人だけを隔離」を支持する大統領とは違い、マンデッタ氏同様、全体的な隔離の支持者だ。
 今回のタイシ氏の指名は軍部や経済スタッフ、大統領府社会通信局(SECOM)の推薦が決め手となったという。
 ただ、それ以前に、タイシ氏は18年のボウソナロ氏の大統領選のキャンペーンを手伝っており、組閣時にも、保健相の候補として名前が挙がっていた。
 ただ、タイシ氏は腫瘍内科の医師ではあるものの、保健関係の協会などの運営経験がなく、いきなりの抜擢となる。
 また、タイシ氏が昨年、「若者と高齢者だったら若者の命を優先する」と語った動画がネットに上げられ、「がん患者の母親を見捨てた」などと告発する投稿も起こるなど、不安を語る声も目立っている。

 さらに、ロドリゴ・マイア下院議長やダヴィ・アルコンブレ上院議長が連名で、「マンデッタ氏は、コロナ対策をはじめとする公共医療のために奔走した、真の闘士だ。連邦議会はマンデッタ氏解任に失望した」との声明を発表した。マンデッタ保健相は下院議長、上院議長と同じ民主党(DEM)の所属。
 マイア議長が個人でも解任を嘆き、解任を批判するかの発言を続けたことを受け、ボウソナロ氏は「マイア氏は陰謀をたくらんでいる。データならある」と、あたかもマイア議長からの大統領罷免を恐れるような発言も行い、マイア議長との言い争いにも発展した。
 一部の連邦議員は、解任は不当とし、世界保健機関(WHO)や国連に文書を送り、ボウソナロ大統領を告発する動きも起こした。

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