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《サンパウロ市》コロナ禍で犠牲となった医療関係者ら顕彰=警察や消防、防災局の車両が行進

「家にいて!」と書いた紙を掲げる医療従事者達(クリニカス病院にて、Governo do Estado de SP)

 新型コロナウイルスが蔓延し、最前線で戦う医療従事者からも感染者や死者が多数出る中、サンパウロ市で医療従事者への顕彰の時が持たれた。
 犠牲者を悼み、闘病や治療の形で病魔と闘う医療従事者らを励ます企画は、警察、消防、防災局の車両による、病院巡りの静かな行進という形で実現した。2日朝7時、パカエンブー・スタジアムを出発した車両は、入院中の患者の邪魔をしないよう、サイレン灯を点灯しただけで静かに進み、クリニカス病院、エミリオ・リバス病院、アドウフォ・ルッツ研究所、ガン研究所、心臓研究所、児童研究所を経た後、サンパウロ総合大学医学部前も通った。
 「仲間達との連帯を示し、支援する。コロナが蔓延する中で出来る、せめてもの志さ」というのは、法医学研究所のコーディネーターを務めるエジウトン・ジョゼ・デ・アゼヴェド氏だ。
 予期せぬ訪問を喜んだ医療従事者達は、各々の施設の前で、「私達のためにも家にいて!」「コロナウイルスとの戦いの最前線」などと書いた紙を手に、応援に応えた。
 医療従事者の中には、家族への感染を避けるため、自宅には帰らない人もいる。中には、息子に感染させぬよう、恐竜の着ぐるみを着て家族に会いに行き、子供に泣かれた医師もいる。
 サンパウロ市役所の資料によれば、4月30日現在でコロナに感染している医療従事者は935人、感染が疑われる従事者は2958人、死亡した従事者は13人だ。医療従事者の感染や死亡例は増え続けている。
 医療現場の戦いは激しく、一人でも多くの人を救おうと奔走し、食事をする暇さえないという人もいるが、そんな苦労を知ってか、知らずか、ひたすらに、社会的隔離政策に反対する人もいる。
 その一例は、1日にブラジリアで行われたデモに参加した看護師が、反隔離などを訴えるボウソナロ大統領支持者から暴行された事件だ。
 三権広場と大統領官邸前で行われたデモは、労働者の日にちなんだもので、労働条件改善と社会的隔離遵守を求める看護師達は、新型コロナウイルスによる犠牲者を追悼する意味で十字架を手にして行進を行った。

街中を静かに走る車の列(2日付G1サイトの記事の一部)

 沈黙の内に行われていたデモの隊列が乱れたのは、黄色と緑の服を来た男性がデモを阻止しようとした時だ。「私の政党はブラジル」と書かれたシャツを着た男性はボウソナロ大統領支持者で、デモの様子を録画し、看護師達に罵詈雑言を浴びせると、看護婦を突き飛ばし、頭を殴るなどの暴行を加えた。その様子は看護師協会のメンバーが録画したが、暴行を加えた男性の身元は特定できていないという。
 暴行を受けた看護婦は抗議行動後、「世界中で医療従事者が感謝され、顕彰されているのに、ブラジルでは医療従事者が暴行を受ける」と落胆した様子を見せた。協会関係者も、「残念だが、大統領が反隔離などを唱えているため、大統領支持者達は、思想的な集会や反民主主義的な行動に走り勝ちだ」と嘆いた。(2日付G1サイト、同UOLサイト、1日付G1サイト、同カトラッカリヴレ、3日付サンパウロ市市役所サイトより)

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