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《ブラジル》コロナ禍=感染者と死者が増加=連休で警戒に緩み?

中国製の予防接種ワクチン(Governo de Sao Paulo)

 ブラジルでの新型コロナウイルスの感染拡大はいったん減速したが、13~19日には感染者、死者共に増え、外出自粛が緩んでいた事を窺わせている。
 ここの所、1週間(日曜~土曜)ごとの新たな感染者や死者の数の推移は、感染拡大が減速化している事を示していた。だが、先週は感染者が前週比で10・3%増の21万2553人、死者が同6・3%増の5322人増えた。
 19日の感染者と死者の数は452万8240人と13万6532人。20日は、感染者が1万6389人増えて454万4629人、死者は363人増えて13万6895人となった。
 1週間で増えた感染者数最多はサンパウロ州の4万983人で、ゴイアス州の2万302人が続く。サンパウロ州の新感染者増加率は9・0%で、新感染者数が前週より増えた17州中12番目だ。
 新感染者増加率上位5州は、アマゾナス州44・2%、リオ・グランデ・ド・ノルテ州41・9%、リオ・グランデ・ド・スル州39・9%、ゴイアス州33・6%、リオ州30・6%だ。アラゴアス、パライバ、アクレ、ロライマの各州も20%以上増えている。
 新たな死者数が多かったはサンパウロ州の1360人やリオ州の649人だ。サンパウロ州の増加率8・5%は、前週比で増えた14州中8番目だった。増加率はパラー州の114・9%増やアマパー州の85・7%増が突出しており、アマゾナス州の44・7%増やリオ州の41・4%増も目立つ。また、リオ・グランデ・ド・ノルテ州は死者も25%増えている。
 感染者増加の主な原因は、独立記念日の連休で旅行した人や外出した人が増え、密集や密接が生じた事や、警戒心が緩んでマスクの着用がおろそかになったりした事だと思われる。連休中に人混みが生じたサンパウロ州海岸部の諸市では連休後、感染者が急増しているという。
 英国ロンドンのインペリアル・カレッジは15日、13~19日のブラジルの実効再生産数(Rt)は算出を始めた4月以降で最低の0・9と試算したが、この数字は再び上昇する事が確実だ。

中国製ワクチン10月から?

 他方、多くの専門家が学校の対面授業再開などのカギを握ると考えている予防接種について、サンパウロ州のジョアン・ドリア知事が20日、中国の製薬会社Sinovac Biotechとブタンタン研究所が協力して治験中の予防接種ワクチンCoronaVacの登録手続きを開始し、10月以降、500万回分を受け取る意向を発表した。同ワクチンの治験は第3段階で、5州で9千人を対象に行われている。
 同知事によると、460万回分は年内に受け取る見込みだ。サンパウロ州政府は14日、予防接種ワクチン増産のためにブタンタン研究所を増築する事も発表した。工事は11月から来年9月の予定だ。
 同研究所では増築後の22年から、年間1億回分のワクチン生産が可能になるという。総工費の見積もりは1億6千万レアルだが、民間企業からの寄付は既に9700万レアルに達している。

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