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《ブラジル》自然豊かな海岸で海亀死体12%増=違法投網が原因?

2日に発見された、繁殖期のオリーブヒメウミガメの死体(3日付G1サイトの記事の一部)

 自然豊かで美しい海岸地帯が広がる持つことで有名なブラジル北東部のバイア州で、3日までに、昨年同期より12%多い138匹の海亀の死体が見つかり、関係者の間で懸念が広がっている。
 10月から翌年の4月にかけては複数の種類の亀の繁殖期だが、9月27日から10月3日の1週間には、繫殖期のオリーブヒメウミガメが6匹、まだ若いミドリガメも1匹が死亡しているのが見つかっている。
 2日に見つかったオリーブヒメウミガメは体長が1メートル8センチで、繁殖期だったが、発見された時は既に腐乱が進んでおり、死因が特定できなかったという。

 繁殖期の海亀は3~5回陸に上がり、1回につき平均100個の卵を産むため、繁殖期の亀が1匹死ねば少なくとも約300個の卵を産む機会が失われる。研究者達は、今後もこの現象が続けば、少なくとも4千匹の亀が生まれるチャンスを失うと見て、今後の生息数減少を案じている。
 海亀などの海洋生物の生態を観察し、産卵や孵化などを見守るプロジェクト(A)mar所属獣医のウエリントン・ラウダノ氏は、「たいていは漁師が使う網が原因だ。外洋での投網やトロール船の網、魚がかかるのを待って仕掛けておく網など、様々な形で使われる網に絡み取られ、身動きが出来なくなって溺れ死んだ可能性が最も高い」という。
 ラウダノ氏は「この時期は繁殖期である事を漁師達も認識し、いつも以上に慎重であって欲しい」と警告を発した。
 同医師は「良識的で合法的な釣り、法令による制限を守った漁を心掛けて欲しい。置き網を使う場合は、沖合1・5キロの原則を守り、少なくとも5メートル、理想的には8メートルの舟で釣るべきで、制限水域での釣りは止めて欲しい」と訴えている。(3日付G1サイトより)

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