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《ブラジル》コロナ死者16万人超す=6週連続で死者数減=年金受給者の死で世帯所得減少も

集中治療室に入院中の重症患者(Arquivo/Agencia Brasil)

 ブラジル初の新型コロナウイルスへの感染者確認から250日目の1日、新型コロナ感染症(Covid19)による死者が16万人を超えた。
 保健省によると、1日現在の感染者総数は前日比1万100人増の554万5705人、死者総数は190人増の16万74人。2日の感染者は8501人増の555万4206人、死者は179人増の16万253人だった。
 前日比の感染者や死者の増加数は、日曜日と休日という事もあり、一時期と比べると大幅に減っている。1日の増加数最多は7月29日で、感染者が6万9074人、死者も1594人増えた。
 1週間単位で見た感染者と死者が最多だったのは感染学上第30週の7月19~25日で、感染者は31万9653人、死者は7677人を記録。
 その後は、感染者が前週比増となった事が3度(36週、38週、43週)、死者が前週を上回った事も2度(34週と38週)あった。10月25~31日の第44週は、感染者が前週比で0・8%減の15万4970人、死者は7・7%減の2981人だった。
 死者は6週連続で前週比減を記録中だが、43週の感染者の増加は選挙キャンペーンの影響が大きい。
 前週比での感染者増を記録した州は43週21、44週13で、増加率の最高は43週がパラー州の85・6%、44週がサンタカタリーナ州の36・5%だ。

 死者も、43週、44週共に11州で増加し、いくつかの州や市で集中治療室の占有率が高まったとの報道を裏付けた。
 死者の増加率も43週はアマパー州で66・7%、44週はセアラー州の174・4%やロライマ州の76・9%など、突出した州が出ている。
 オズワルド・クルス財団は10月30日、10月18~24日(第43週)のデータから、6週間の間にコロナ感染症を含む重度の呼吸器疾患が増加傾向にある州都が10あると発表。
 増加の可能性が95%以上だったのは、アラカジュ、フロリアノポリス、フォルタレーザ、ジョアン・ペッソア、マカパー、マセイオー、サルバドール、75%以上はベレン、サンルイス、サンパウロだ。
 選挙戦開始後、候補者の支援集会や街頭行進などで密集、密接状態が生じ、感染を容易にしたとして、街頭行進や集会の禁止などの感染拡大予防措置がとられた市は10月29日現在で11州36市に上っている。
 選挙高裁は3日以降に新型コロナへの感染が確認された人は15日に投票する事を禁じており、投票当日も検温などの措置をとる。
 1日現在の感染者が111万7147人、死者が3万9331人(2日は111万7795人と3万9346人)のサンパウロ州では、「死者の日」の2日、コロナの犠牲者を追悼するイベントも開催された。
 2日付エスタード紙によると、コロナの犠牲者の73・8%は60歳以上で、その58%は男性だ。年金生活者が家計を支えていた家庭は70・6%、家計の半分以上が年金や恩給だった家庭は60・7%もあり、年金受給者の親の死で子供の学費が払えなくなった女性など、家族を失う悲しみと所得減少という二つの困難に直面する遺族も出ている。

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