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特別寄稿=ブラジル移民文庫の紹介=移民史主要文献を160冊網羅=サンパウロ市在住  醍醐麻沙夫

ブラジル移民文庫サイト(http://www.brasiliminbunko.com.br/iminbunco_capa1.htm)

 ブラジル移民文庫(http://www.brasiliminbunko.com.br/iminbunco_capa1.htm)は「ブラジル日本移民百周年記念協会」の記念事業の一つとして2008年に完成し、内容をCDに収めてブラジルと日本の関係先に配布しました。かってのコロニアで出版された主要な文献、写真集、絵画、音楽など約100点を収めています。
 記念協会の解散とともにこの仕事は一応終わりましたが、個人的に「移民文庫」の仕事を継続し、第一版にあった誤字を訂正した改訂版のCDをつくって配布しました。

貴重な本のPDF版がずらり

 さらに、主要な文献を網羅するには100冊では足りないので、作業を継続して160冊までに増やしました。これで、過去に出版された文献で抑えておかなければいけない本はほぼ網羅したと思います。
この改定第二版が2012年にできたときはコンピューターの世界でもCD やDVDにせずとも、グーグルで直接閲覧できるようになりました。
 これが現在の「移民文庫」です。閲覧の方法はコンピューターでグーグルを開いて「ブラジル移民文庫」と入力すれば開きます。ポルトガル語版(http://www.imigrantesjaponeses.com.br/)のほうはIMIGRANTES JAPONESES NO BRASIL – ACERVO LITERÁRIO が正式の名前ですが、IMIGRANTES JAPONESESと入力して探してもリストに出てきます。
 なおポルトガル語版は主に学生の研究の便宜などを考えて作りました。
 続いて、移民文庫の内容についていくらか紹介します。
 ブラジル全体については『ブラジル全史』『ブラジルの移民』などが収録されています。『ブラジルの移民』という本は執筆当時はブラジルにも似たような類書はなく貴重な本です。書類検索をしてみましたが、日本でも3冊しか見つからなかった。
 日本移民に関しては『移民80年史』をはじめ、多くの本が収録されていて、本格的な研究の役に立ちます。
 しかし、研究目的でない一般の方は、まず写真集から見ていただくことをお勧めします。写真集は2冊あり、その一つの『南米写真帳』は力行会の会長だった永田稠(しげし)さんが会員の様子を写した写真集です。神戸からの船旅も写っています。

 次は『在伯同胞写真帳』(高知県古市町の竹下写真館)です。これは大部の写真帳です。
 ところで第2次世界大戦以前のコロニアの出版物はすべて団体名義のものでしたが、戦後になって個人の出版物もみられるようになりました。その最初の二人は女性で、小説の北島文子さんと、料理の佐藤初江さんです。
 北島さんは日本で『新青年』などに執筆した人ですが、ブラジルにきてまもなく戦争のため日本語使用禁止の時期を過ごした気の毒な作家です。収録した北島文子(ふみこ)作品集は短編の作品集です。彼女は雑誌『よみもの』の編集などをしました。
佐藤初江さんの『日伯料理と製菓の友』はコロニア唯一のロングセラーの本で、本文庫では1963年の第7版を採用しました。当時のレシピを見るのも、なかなか面白いです。このころでもまだ鶏は生きた鶏しか売っていなくて、初江さんの料理教室でも鶏肉の料理を教える前に、手ぬぐいやタオルを使って鶏の首の絞め方から練習したそうです。
 つぎに文芸作品について触れてみたいと思います。
 1908年に最初のブラジル移民が到着した8年後の一月に『南米』という週刊の新聞が発行され、その年の8月に『日伯新聞』が発行されました。それ以後、いくつもの新聞が発行されましたが、それらの新聞の読者欄には小説、短歌、俳句などが掲載されました。

醍醐麻沙夫さん

 コロニアで書かれた最初の小説は「賭博農時代」とされています。同人雑誌を発行したコロニア文学会がそれまでの小説を時代別に選んで『コロニア小説選集』4巻を発行しました。初期の作品を集めた第1巻のなかでは、つつじ、牛糞、野生などが評価の高い作品です。すべて短編なので、いちどお読み下さい。
 短歌は多くの作者を生み出しましたが「コロニア万葉集」というアンソロジーがあります。1981年に編纂されました。
また、俳句ではブラジルに俳句を広めた第一人者の佐藤念腹さんの句集をはじめ、多くの句集が収録されています。
これでブラジル移民文庫の紹介を終わります。

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