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全体を見通す指揮者がいないコロナ対策

大統領や上院議長も同席した1日の最高裁大法廷(SCO/STF)

大統領や上院議長も同席した1日の最高裁大法廷(SCO/STF)

 最高裁のルイス・フクス長官が1日の朝、ボルソナロ大統領とダヴィ・アルコルンブレ上院議長(当時)も迎えた今年最初のセッションで、法廷再開を宣言した。
 同長官は22万人を超えた新型コロナの死者に黙祷を捧げた後、「皆が求めていたワクチン接種も始まり、科学がウイルスに打ち勝つ事は間違いない。慎重さが混乱を克服する事や、合理性が曖昧さに打ち勝つ事も確信している」と語った。
 また、南麻州地裁新長官が「新型コロナへの予防措置を擁護する人は無責任で臆病」と批判した事を聞いて驚いたと、フクス長官は胸中を吐露。「憎しみを広め、犠牲者を軽蔑し、科学的否定論を使って、現在直面している深刻な問題を軽視するような人の孤立した声に耳を傾けてはならない」「一致してこの戦いに勝つため、公・私的な領域で日々発せられる、思慮深く、自信に満ち、創造的な声を評価すべき時」とも述べた。
 さらに、新型コロナのパンデミックに関する審理には他の日程を変更してでも応じる事や、全連邦裁判所に国民の健康と社会の保護に対する責任を課す事、職員の在宅勤務継続などにも触れた。
 他方、遠隔参加したアウグスト・アラス検察庁長官は、アマゾナス州での医療崩壊に関する捜査を行っている事などに触れつつ、「特に北部地域の市民に対し」と前置きして、哀悼の意を表明。予防接種は経済再開、雇用創出、逼迫した医療体制の改善などのための唯一の方法で、「伯国は希望の空気を吸い始める」とも述べた。
 上下両院の新議長らも予防接種の重要性を強調したが、連邦政府は世界保健機関を通して入手できるワクチンを最低限の数しか要請せず、予防接種に関する暫定令から副作用に関する国の責任に関する項目を削除してファイザー社のワクチン輸入を困難にするなど、〝コロナ対策〟がちぐはぐで、国民から不満や疑問が噴出している。
 医師の8割による保健相のコロナ対策批判は現政権への批判に他ならない。  (み)

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